その他のフレームワーク
この他にも、多くのフレームワークが追加されている。その一部を簡単に紹介しよう。
Calendar Store
Mac OS Xでのカレンダーソフトとして、Appleが提供しているのがiCalである。個人で使う分には充分な機能を持つソフトであるが、ビジネスで使うとなると、データの共有や再利用が重要となる。
Leopardでは、iCalをめぐる環境が急速に整備された。まず、Leopard Serverで、iCal Serverが登場。iCalデータを共有するためのサーバソフトとなる。そして、クライアント側では、Calendar Storeフレームワークが追加された。
Calendar Storeフレームワークを使うと、iCal以外のソフトウェアからもiCal Serverにアクセスできる。これにより、特定のアプリケーションに縛られることなく、カレンダー情報を幅広く使えるようになる訳だ。そもそも、iCal Serverもオープンなプロトコロルを使うため、iCalを中心としたデータ共有は非常に見通しがいい。
今後はiPhoneやiPod touchといった、携帯デバイスでのカレンダー利用も一層進むであろうから、Leopardでのホットスポットになる可能性もあるだろう。
Publication Subscription
Safariは、かなり昔からRSSフィードの読み込みに対応している。インターネット上でのRSSの利用は、通常のHTMLの要約はもちろん、Podcast、Photocast、Videocast、Appcastと、増える一方だ。
これらのRSSフィードをサポートするフレームワークも登場した。Publication Subscriptionフレームワーク(PubSub)だ。このフレームワークを使えば、フィードの登録と更新を自動的に行ってくれる。Safariもこのフレームワークを利用しているようなので、システム全体でのフィード情報の共有も可能だろう。
Input Method Kit
Macを日本語環境で使う際に欠かせないものが、インプットメソッドだ。Macにおけるインプットメソッドをめぐる環境は、他の分野に比べて、おざなりにされてきた感は否めない。Leopardでは新しい動きがある。Input Method Kitというフレームワークが追加された。
Input Method Kitは、名前の通り、インプットメソッドを作るためのフレームワークだ。アプリケーションとテキスト変換エンジンの間に位置することになる。ユーザからのテキストやマウスイベントの入力を受け取り、候補ウインドウを表示して変換文字を決定する。これで、日本語環境の一層の整備が進むことを期待したい。
もっとも、いままでのCocoaでもNSInputManagerという、インプットメソッドのためのクラスが提供されてきた。だが、むしろこのクラスは、アプリケーションをハックするユーティリティの入り口として利用されていた実績の方が多い。これを置き換えるものと考える方が、実情にあっているのかもしれない(参考: 『ダイナミックObjective-C(41)インプットマネージャから侵入』)