PCの技術はどんどん進化し、ハードウェア的にもハイスペックになっているはずなのに、今ひとつ"サクサク感"に欠ける、と感じている人にうってつけなのが「SSD」だ。初心者にはまだ少しハードルの高い最新パーツだが、これをBTOに組み込み、手軽に利用できるよう工夫したのがマウスコンピューターの「MDV ADVANCE Sシリーズ」だ。SSDとHDDのツイン構成にも対応しており、SSDを存分に活かせるスペックの同機で、その威力を確認してみた。
■主な仕様 [CPU] インテル Core i7-2700K プロセッサー [チップセット] インテル Z68 Express [メモリ] 16GB DDR3 [SSD/HDD] 80GB SSD+2TB HDD [光学ドライブ] ブルーレイディスクドライブ [グラフィックス] NVIDIA GeForce GTX 550Ti [OS] Windows 7 Home Premium 64ビット版 [価格] 127,050円
SSDとHDDのツイン構成をお手頃価格でゲット!
マウスコンピューターの「MDV ADVANCE Sシリーズ」の特徴は、手軽に安価でハイエンドな構成のマシンを購入できることだ。特にサクサクと動く快適なマシンを求めているユーザーには、プライマリストレージとしてSSDを選択できることがポイントになるだろう。
PCの快適さを追求するなら、今もっとも注目したいのが「SSD」の利用だ。PCの基本的な演算処理を行っているのはCPUだし、作業中のデータを展開しているのはメモリだから、処理速度向上のために最新の高速なCPUを搭載するのは正解だし、大容量メモリを搭載すれば快適さも向上する。けれど、実際に使っていると最新のCPUと大容量メモリを組み合わせてもなんだかちょっと重く感じられる、という瞬間があるものだ。
通常のPCを構成しているパーツの中で、一番遅いのはHDDだ。これがいわゆる"ボトルネック"と呼ばれるもので、CPUがガンガン計算して、メモリがじゃんじゃんデータを出し入れしても、その引き出し元と収納先になるHDDがのんびり働いているから、全体的なスペックの割にもっさりとした動きになってしまう。最新CPUともなればかなり高額だし、極端に大容量なメモリを搭載するにもコストがかかる。しかし、かけたコストの割に体感速度があまり上がらない、という結果になりがちなのだ。
そこで登場するのが、高速に読み書きできるSSDだ。形は2.5インチのHDDにそっくりだが、中身は、すごく簡単に言ってしまえば、要するに大容量のメモリみたいなものだから、読み書きの速度は非常に高速だ。当然、HDDのせいで動きが鈍重になっていた部分は解消されて、快適な利用感になる。
だったら全部SSDにしてしまえばよさそうなものだが、現状ではなかなか難しい。まず大容量のものが少ない。今のところ市場で入手しやすいのは512GBまで。しかもこれが、安くとも5万円台だ。HDDならば2TBが1万円前後で購入できるこの時代に、これは厳しすぎる。
速度ならSSD、価格と容量ならばHDD。速くて大容量で安い方がいい、というワガママをかなえるための方法が、この2つを組み合わせた利用方法だ。OSと特に高速動作を求めるアプリケーションだけはSSDに入れて、それほど高速でなくともよいアプリケーションや作成したデータなどはHDDに保存する。この使い分けで幸せになれる。
自作PCではなく、きちんとした製品PCで、このSSDとHDDを両方搭載するという選択ができ、さらに比較的安価に購入できるのが、今回紹介する「MDV ADVANCE Sシリーズ」なのだ。