◆PCMark 10 v2.0.2115(グラフ44~45)
FutureMark
https://benchmarks.ul.com/pcmark10
ゲーム系はこの程度にして、次はPCMarkを。
こちらでは本来あまり性能差が出てはいけない筈だが、Overall(グラフ44)を見ると意外に差が大きい。ただ、面白いのはApplications(つまりOffice 365を利用したベンチマーク)は殆ど差が無い(なぜかRTX 2070 Superが妙に落ち込んでいるのは不思議だが)事だ。
ではPCMark 10 Express/PCMark 10/PCMark 10 Extendedで何が差になっているのか、ということでTest Group別の詳細を見たのがグラフ45。Essentialでは差が見られないのだが、Productivity及びDigital Contents Creationで大差がついているのが判る。ちなみにこの理由だが、生データを見てみるとOpenCLの性能が大違いという事が判明した。例えばProductivityのSpreadsheetの処理を2つ抜き出すと、まずSpreadsheetEdit(セルの編集)の所要時間(sec)は
RTX 2060 | 0.79 |
---|---|
RTX 2070 | 0.79 |
RTX 2060 Super | 0.79 |
RTX 2070 Super | 0.79 |
RX 5700 | 0.77 |
RX 5700 XT | 0.79 |
ということで大差ない。ところがSpreadsheetMonteCarloOcl(OpenCLを利用したモンテカルロシミュレーション)の所要時間(sec)は
RTX 2060 | 1.05 |
---|---|
RTX 2070 | 0.97 |
RTX 2060 Super | 1.64 |
RTX 2070 Super | 0.9 |
RX 5700 | 5.94 |
RX 5700 XT | 6.06 |
ということで、RX 5700シリーズが6倍ほど遅くなっている。恐らくRX 5700シリーズではOpenCLの性能が相当落ちているとみられる。このあたりは別途Deep Diveのネタなので今回は追求しないが、逆に言えばOpenCLを使わない限りRTX/RTX SuperシリーズとRX 5700シリーズは同等と見て良いと思う。
◆TMPGEnc Video Mastering Works 7 V7.0.10.11(グラフ46)
ペガシス
{http://tmpgenc.pegasys-inc.com/ja/product/tvmw7.html](http://tmpgenc.pegasys-inc.com/ja/product/tvmw7.html)
こちらは内蔵エンコーダの性能比較である。CPU編でも同じことをやったが、こちらはx265エンコーダを利用したもので、Ryzen 9 3900Xでも16fps程度であった。さて、RTX/RTX SuperシリーズとRX 5700シリーズはどちらもHEVCに対応したエンコーダを搭載しており、TMPGEnc Video Mastering Works 7はこの両方に対応している(RTX/RTX SuperシリーズはNVENCを、RX 5700シリーズはAMD Media SDKを、それぞれ映像エンコーダに設定する)。ということで結果がグラフ46である。
RTX/RTX Superシリーズは、同時にエンコードできる映像ストリームが2つまでとなっており、一応2ストリームだと若干性能は上がるが、概ね70fps程度の4K映像のトランスコードが可能になっている。一方RX 5700シリーズは1ストリームだと32fps程度でしかないが、2ストリームだけでなく4ストリームの同時処理も可能であり、4ストリームだと94fpsものエンコード性能を叩き出す。
環境などが異なるから同一の比較は無理だが、以前Vega64やRadeon VIIで同じテストを行った記事の時には55fps前後だったのが、7割以上の性能アップである。AMDの説明では、HEVCのエンコーダを新しくして40%ほどの性能改善がなされた、としていたがこれを上回る性能なのは素直に喜ばしい。