◆3DMark v2.9.6631(グラフ1~9)

FutureMark
http://www.futuremark.com/benchmarks/3dmark

GPUのテストなのでまずはこちらから。ちなみにPort Royalに関しては当然ながらRadeon RX 5700シリーズは未対応なので試していない。まずグラフ1・2がOverallであるが、負荷の軽いテスト(グラフ1)で言えば今回試した6製品は概ね変わらないというところ。一方FireStrike以降(グラフ2)はちょっと面白くて

RTX 2060≒RX 5700<RTX 2060 Super≒RTX 2070<RTX 2070 Super≒RX 5700 XT

という感じになっている。勿論細かく見れば例えばTimeSpyではRX 5700<RTX 2060だとか、FireStrikeではRTX 2070 Super<RX 5700 XTだとか色々あるが、概ねRTX 2060とRX 5700が、RTX 2070 SuperとRX 5700 XTが大体同レベルの性能、とされる。

Physics/CPU TestとかCombinedを見てもあまり差が出ないので、Graphics Test(グラフ3・4)に注目すると、やはり上の傾向がそのまま引き継がれている感じだ。細かく見れば、なぜかIceStorm系でRTX 2070 Superが振るわない(グラフ3のIceStormでは一番性能が低かったりする)という不思議なケースもあるが、負荷が掛かると真っ当なスコアを出してくれるので、まぁあまり気にするところではないだろう。

グラフ5~8は、実際のフレームレートを見たものである。ことIceStorm(グラフ5)に関して言えば、RX 5700が妙に性能が高い(Test 2で言えばRTX 2070 Superすら超えているが、グラフ6以降では相応の性能に落ちるあたりは、性能は高くない代わりにCPUへの負荷も少ない、というあたりだろうか? ただ、現実問題として今回の6製品の主戦場はFireStrike(グラフ7)以降であり、ここはまぁ先ほども書いた

RTX 2060≒RX 5700<RTX 2060 Super≒RTX 2070<RTX 2070 Super≒RX 5700 XT

が成立している。強いて言えば、FireStrike、つまりDirectX 11で言えばRTX 2060<RX 5700であるが、DirectX 12のTime Spy(グラフ8)で言えばRX 5700<RTX 2060になるあたりがちょっと面白い。これはRX 5700 XTもそうで、グラフ7ではRTX 2070<RX 5700 XT<RTX 2070 Superなのが、グラフ8ではRX 5700 XT<RTX 2070になっていることで、このあたりは製品の性格かもしれない。

最後がPCI Express Test(グラフ9)で、まぁ予想通りというか、何というか。一応理論帯域はPCIe Gen3が16GB/sec、Gen 4が32GB/secなので、NVIDIA系が効率87%程度、AMD系が78~81%ほどとなり、効率だけで言えばNVIDIAの方が高い訳だが、今回のRADEON RX 5700系は第2世代(第1世代はVega 7nm)と言いつつも、実際はおそらく同じPCI Express IPを使っている事を考えればこちらも事実上第1世代な訳で、それでこの帯域だから悪い数字ではないと思う。

ただ問題はこのPCIeの帯域は、殆どゲームに関係ない事だろうか。シーン変更時のテクスチャのロード時間を半減させるといった形での効果はあるが、ゲーム中にPCIe経由でメインメモリから直接ロードする、なんてシーンは殆ど無い。厳密に言えば、CPUからGPUへの描画処理命令はPCIe経由だから、ここが半減するといえばその通りだが、こちらは帯域的には大したことは無く、むしろLatencyの方が問題になるが、そちらはこのテストでは測定できない。このテストが意味があるシーンは、GPGPU的な使い方をする場合で、今回はそうしたテストは後で出てくる非ゲームベンチマークのみとなる。まぁ確かにAMDの言う様に、PCI Express Gen4に対応したスピードが出る事は確認したが、これにどんな意味があるのかはまた別の問題だろう。

◆SuperPosition v1.0(グラフ10~12)

Unigine
https://benchmark.unigine.com/superposition

測定方法はこちらの記事の手順に準ずるが、ただしTexture QualityとShaders QualityはどちらもMediumにしている。

さて結果はもう明白で、見事なほどに

RTX 2060<RX 5700<RTX 2060 Super≒RTX 2070<RX 5700 XT<RTX 2070 Super

という関係が成立している。平均フレームレート(グラフ10)だけでなく、最大(グラフ11)/最小(グラフ12)フレームレートでもこれが成立するあたり、実にわかりやすい。4KあたりになるとRTX 2060≒RX 5700、RTX 2070≒RX 5700 XTという感じになるのはまぁ致し方ないところか。

◆Basemark GPU 1.1(グラフ13~15)

Basemark
https://www.basemark.com/products/basemark-gpu/

測定方法はこちらの記事の手順に準ずる。

まずはDirectX12(グラフ13)だが、こちらはこれまで同様の傾向である。強いて言えば平均フレームレートが、RX 5700 XT≒RTX 2070 Superになっているが、最大/最小フレームレートはRX 5700 XT<RTX 2070 Superが明確に見て取れる。

その一方、AMDはOpenGLにはまるで力を入れていないな、という結果が見えるのがこちら(グラフ14)。DirectX 12と比較して半分程度のフレームレート、というあたりは明確にこれが判る。まぁAMDとしてはOpenGLよりもVulkanに力を入れているから、これは判らなくもない(Radeon Pro系列はOpenGLを真剣にサポートしているからまた話は別だろうが)。逆にNVIDIA系は綺麗に性能がそのまま出ている形で、DirectX 12と比較しても遜色ない。

ではVulkan(グラフ15)は? というと、全体的にDirectXよりはちょっと数値が下がるものの、概ねハードウェアの性能を引き出している感じである。こちらでは再び

RTX 2060≒RX 5700<RTX 2060 Super≒RTX 2070<RX 5700 XT<RTX 2070 Super

といった関係になっているのは面白い。