AI、IoT、そしてネットワーク
続いて壇上には米マイクロソフト社のビジネスAI担当企業副社長であるガーディープ・シン・ポール氏が姿を現し、「ディープラーニングの時代」と題して講演。ディープラーニングによりAIの性能は大幅に向上しており、画像認識や音声認識、ゲーム「パックマン」などで人間を上回る性能を発揮していることを紹介。産業革命から直線的に進歩してきた科学技術は、AIの登場とビッグデータなどの要素により、今後指数関数的に進歩の速度を上げていくと予測した。
そしてマイクロソフトが提供するAIサービスを紹介し、その実例としてPowerPointとスマホ用のMicrosoft Translatorアプリを組み合わせてスライドや説明の同時翻訳&字幕化機能、ビデオの会話をテキスト化し、自動でインデックス化するサービス「Video Indexer」、女子高生AI Bot「りんな」などを披露して講演をまとめた。
続いてソフトバンクの宮川潤一専務取締役兼CTOが登壇し、「新たな価値を共創するビジネス基盤 ソフトバンクIoTプラットフォーム」と題した講演を行った。ここではIoTにより様々なデータを取得して活用するためにはIoTプラットフォームの存在が不可欠であるとし、ソフトバンクがこれを提供することを明らかにした。
ソフトバンクのIoTプラットフォームでは、各産業用に特化したAPIはもちろん、用途に合わせた機能セットや、ネットワーク機能も提供できる点が強みであることをアピール。顧客が取得するデータと、これまでにソフトバンクが蓄積してきた多彩なデータを合わせることで新たな価値を共創することがIoTの本質であると指摘した。
特にネットワーク機能では広域・低消費電力通信であるLTE Cat.NB1こと「NB-IoT」(Narrow Band IoT)について触れ、下り28kbps、上り63kbpsと超低速ながら、全国をエリアとして一斉にスタートできるため、スマートメーターなどのIoT用回線として本命であること、また5Gでは最初から人だけでなくモノの通信が考慮されており、自動車など高速通信を必要とするIoT向けに最適であると指摘。さらには2020年に開始されるOneWebなどを経て、機器間の低速通信から5G、世界規模での衛星通信網までさまざまなスケールでのネットワーク機能を提供できることをアピールした。
そしてIoTによる新しい価値の創造にいて、ソフトバンクIoTプラットフォームはAPIやプラットフォームによりデータやサービスの質的最大化を、そしてネットワークインフラの高度化により、モノやデータの量的最大化が図れるとし、これを一元的に提供できるのはソフトバンクだけであるとした。