ソフトバンクグループは7月21日、前日に引き続いて「ソフトバンクワールド 2017」を開催。2日目となる21日はソフトバンクの宮内謙社長兼CEOらが登壇し、ソフトバンクグループが持つテクノロジーや情報革命におけるなどについて語った。
新技術が時代の変革をリードする
基調講演の前半は、「ビジネスの勝敗を分けるテクノロジー戦略」と題してソフトバンクの宮内謙氏が登壇。宮内氏はまず、2007年にiPhoneが登場して現代的なスマートフォンが誕生し、10年の間にあらゆるサービスや社会インフラがスマートフォンを中心に動くようになったことを指摘。iPhone発表の際にスティーブ・ジョブズ氏が「時として革命的な商品が誕生し、あらゆるものを変える」と発言したことを紹介しつつ、実際にスマートフォンが十分に世界的に普及しだした2012~2013年ごろを境目に、あらゆるジャンルで大きな変革があったことをグラフで示していく。
たとえば、小売業ではAmazonが急激に発展を遂げてそれまでのトップだった米ウォルマートを、あるいは自動車業界においても、生産台数でははるかに少ないTeslaがGMやフォードといったビッグネームを、それぞれ時価総額で追い抜いたことを紹介。そのほかにもNetflixや、ディープラーニングが話題になり出してからのNVIDIA、Airbnb、Uberといったスマートフォンやネット、AIといった最新テクノロジーに根ざした企業が、軒並みそれまでの業界の順列を塗り替えている。
こうした現象を宮内氏は以前「Disruption」(破壊)という言葉で紹介しているが、実際に各業界では破壊的な変革が起きている。そして現在はテクノロジーが勝敗を左右する時代であり、構造改革のキーになるのが新技術(New Technology)であると指摘した。
ソフトバンクでもこうした時代に対応するべく、社内では40のAI関連のプロジェクトが、そして300のRPA(Robotic Process Automation:ロボットによる業務自動化)プロジェクトが動いているとする。にも関わらず、国内ではAI導入率がわずか1.8%、RPAの導入率も4.9%どまりであることを示し、AIやRPAはこれからが有望な市場であることを示唆した。