『スペース・スクワッド』の一番の見どころというべき、烈がレーザーブレード(オリジン)を撃に託すシーンの裏話を尋ねられると、石垣は「もう、何回ホンの打ち合わせをしたかというくらい、このシーンを大事に考えていました。もともと、レーザーブレードが折れてしまい、新たなレーザーブレードを烈さんから受け継ぐという流れは、準備稿の段階からあったんです。さらに、レーザーブレードそのものにストーリーを入れ込んでみようというアイデアが出まして、劇中での"あのヒーロー"の存在が示されたんです。烈さんの魂、宇宙刑事の魂を引き継ぐ。ここが映画のもっともキモとなる部分だと思いました」と、一段と熱を込めて語った。
マッドギャランに折られたレーザーブレードに代わり、烈が撃に託したレーザーブレード(オリジン)とは、テレビシリーズ『宇宙刑事ギャバン』のごく初期のエピソードや番組宣伝スチールなどでギャバンが使用していた、柄(つか)に装飾の入った特徴的なシルエットのバージョン。これを撃に手渡したとき、どんな思いで演技をしていたかと問われた大葉は、「新しいブレードを渡したとき、(撃が)泣きそうになってるじゃないですか。ああ~泣きそうな顔してるな、じゃあこっちは笑っておこうかなとか。どうだ重いだろ、コノヤロ!(笑)」と、あくまで大人の余裕を醸し出す芝居に徹していたことを明かした。
石垣からは、「泣けないんですよ。だって"あばよ涙"ですからね(笑)。でも、瞳の奥で何を見据えているんだ、この男は……という部分は、あの表情ですべて語っていると思います。そこは自信を持って芝居をしています。大葉さんのおかげです!」と、大葉の胸を借り、思いっきり満足のいく演技を貫くことができたことを感謝する場面が見られた。
さらに、劇中で撃がレーザーブレード(オリジン)を手にしてその重みを実感するシーンについて、石垣が「あれ、実は軽い素材で作られた小道具で、実際は重くないんですよ。でも、それを重く見せるために腕を鍛えて、前のシーンで革ジャンを脱ぎ、シャツ一枚になって腕を強調しています」と、意外な裏話までも明かしてくれた。
ちなみに「今回、レーザーブレード(オリジン)を撃に託した後、初代ギャバンは何で戦うんですか?」という質問がファンから寄せられだが、大葉は涼しい顔で「素手!」と返答し、客席を爆笑させた。その後、「実は僕、(レーザーブレードを)あと20本くらい持ってますから」とギャグを被せ、今後の初代ギャバンが決して丸腰で戦うわけではないことを強調していた。