今回、久々にマッドギャラン(の声)を演じたことについて春田は、「30数年ぶりにマッドギャランが復活し、ギャバンと戦うという……これはもう、オファーを受けないわけにはいかないでしょう!」と力強いコメントをして、石垣および大勢のファンたちからの喝采を受けた。
いまやテレビドラマや映画、舞台など幅広いフィールドで、観る者に強烈な印象を与える演技派俳優として知られる春田だけに、32年ぶりの復活を遂げたマッドギャランはオリジナルをはるかに上回る威厳や凄みなどを感じさせる、まさに宇宙の警察ヒーローが束にならないと歯が立たない強敵としての存在感を打ち出している。
続いての質問は、「各キャラクターの役作りについて」。石垣は「十文字撃として『ギャバン THE MOVIE』に出演して5年。あれからいろんな映画やドラマに出させていただいて、いろんな経験をしてきましたが、それだけに『もっと十文字撃でこんなことあんなこと、表現できたものがあったな』と、ストレスを持つようになったんです。いつかこの思いを、宇宙刑事で主役としてぶつけたいと願っていて、今回ではシナリオの打ち合わせに参加させていただいたりして、衣裳にもこだわっていきました」と、今回の映画にかけた並々ならぬ思いの程を打ち明けた。
大葉が演じる一条寺烈は、テレビシリーズ『宇宙刑事シャリバン』(1983年)で「銀河パトロール隊」の隊長に昇格したものの、銀色のコンバットスーツを0.05秒で「蒸着」する宇宙刑事ギャバンとして、30数年を経た現在も特務刑事というポジションで現場一筋を貫いている設定。これについて大葉は「デスクまわりは頭のいい人にやっていただいてね(笑)、僕らは現場担当で……現場が好きなんですよ。ほら、別の映画でもあったでしょう。『事件は現場で起きてるんだ!』って」と、有名な某刑事ドラマの劇場版をもじったセリフで現役感をアピール。
アクションにもこだわりを見せ、「撮影に入る前、自分なりに8手くらい、立ち回りの手を考えていたんですけれど、現場につくと坂本(浩一)監督からすでにこういう手を考えていますと指示がありました。それならそれで、監督の期待に応えてこの立ち回りを完全にこなさなきゃいけない、と気合いが入りました。それが(アクション)現場の人間です!」と、さすがのプロフェッショナルな発言で渋く決めていた。
しきりに「現場」という言葉を口に出し、素面での激しい立ち回りをこなした大葉のガッツを目の当たりにした春田だが、今回は声のみでの出演だったため、撮影現場で石垣、大葉と共演する機会がなかった。これを受けて春田は「行きたかった、現場にー!!」と声を上げ、ファンからの拍手を集めた。マッドギャランの声の演技については「昔のイメージは残っていますが、昔と今とでは自分の演技がまったく違うんです。俳優としても経験を積み、成長していますし。昔を思い出しながら声を入れましたが、より渋くなっているかもしれませんね」と、30数年を経た現在ならではの新たなマッドギャラン像を組み立てたことを明かしていた。