今回"宇宙刑事の魂"であるレーザーブレードを託すことで、撃を宇宙刑事として一回りも二回りも大きく成長させるキーパーソンとなる一条寺烈を演じた大葉健二は、アクションスター千葉真一が設立したJAC(現JAE)の一期生としてデビューし、危険なスタントから演技まで幅広くこなすアクション俳優として活躍。クエンティン・タランティーノ監督のバイオレンスアクション映画『キル・ビル』(2003年)では、師匠の千葉と共演を果たしている。
『宇宙刑事ギャバン』(1982年)をはじめ数々のヒーロー作品でも激しいアクションと親しみのある人間像を描き出し、永遠のヒーローとして語り継がれているレジェンドである大葉は、『スーパーヒーロー大戦Z』(2013年)以来久々となる石垣との共演について、「えっ? また……出なきゃいけないのかなって」と、いい感じにボケを入れて会場を笑わせた後、「今まで初代から二代目へ、ちゃんと継承していないんじゃないかな、と思っていたんですね。それで今回、ホン(台本)を読んでですね……、うーん、やった!」と力強いガッツポーズを決めてみせ、自身の満足がいくような、先輩から後輩への魂の継承を果たせたことに手ごたえを感じた模様だった。
大先輩の大葉に限りないリスペクトをささげる石垣は、「『シャリバン NEXT GENERATION』のとき、大葉さんが出演されていた『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン』(2012年)の名セリフ『銀色の輝きは伊達じゃないぜ!』をぜひ使わせていただきたいと、大葉さんや中野プロデューサーに相談して実現したことがあったんです。そのときは大葉さんとの共演がありませんでしたから、次こそぜひ! という思いで今回は大葉さんと僕が見つめ合う熱いシーンを作っていただいたんです」と、劇中の烈と撃と同じ、熱き男同士の師弟関係をうかがわせた。
かつて『巨獣特捜ジャスピオン』(1985年)で、地球を巨獣帝国に変えて全銀河宇宙に災いをもたらそうとした魔神サタンゴースの息子・マッドギャランを演じた春田純一もまた、大葉と共にJAC設立初期からメンバーとして参加し、スタントや演技をこなすアクション俳優として活躍していた1人だった。
人気時代劇シリーズ『服部半蔵 影の軍団』ではレギュラーの忍者・喜平次を演じた後、「スーパー戦隊」シリーズの『大戦隊ゴーグルV』(1982年)ではゴーグルブラック/黒田官平、『科学戦隊ダイナマン』(1983年)ではダイナブラック/星川竜と、2年連続でブラック戦士を演じて一躍子どもたちのヒーローとなった春田だが、『ジャスピオン』では本格的な悪役に挑戦し、悪の異星人(マッドギャラン軍団)を率いて地球制圧を企む邪悪な戦士を熱演した。