さて、前述した、天板に採用しているマグネシウムリチウム合金だが、これは富士通クライアントコンピューティングとしては初めての採用となる。ボトムカバーにはマグネシウムを採用。ここには、"剛性"へのこだわりがある。

島根富士通のプレスイベントでは、マグネシウムリチウム合金天板(左)とアルミニウム天板(右)の軽さ比較も紹介された。新しい天板は風船で持ち上げられている

石川マネージャーは、「マグネシウムリチウム合金は、コストの課題や流通性の問題があり、いままで見送っていた。しかし軽さに徹底的にこだわり、世界一を目指すには、天板へのマグネシウムリチウム合金の採用は避けては通れなかった。だが、その一方で堅牢性や、(堅牢性を確保できる)形状の自由度などの問題から、ボトムカバーにはマグネシウムが最適な素材と判断した」(石川マネージャー)と語る。

続けて安藤マネージャーも、「SHシリーズはアルミニウムを採用していたが、ここで実現している剛性は、軽量化したLIFEBOOK UH75/B1でも達成されている。持ってもらったときに、しっかりと剛性を感じられる作りにこだわった」とする。

軽量化だけでなく、剛性という部分を重要な「背骨」としている点が、LIFEBOOK UH75/B1のこだわりということになる。

それを証明するように、モバイルPCユーザーの利用シーンを想定して、様々な耐久試験も実施。なかにはこれまでになかったような試験項目も追加している。「実物を触ってもらえると、堅牢性や質感などの良さが伝わる。ぜひ店頭で、LIFEBOOK UH75/B1に触ってもらいたい」(石川マネージャー)と、開発陣は強い自信をみせる。

タッチパネルは見送り、ニーズをみて対応

一方で、タッチパネルの搭載は、今回の製品では見送っている。

「タッチパネルに対するニーズがあることは理解しているが、クラムシェル型の軽量モバイルPCとして、どれぐらいのニーズがあるのかという疑問があった」ことが理由だ。「タッチパネルの搭載は今回の製品では見送ったが、タッチ対応ができる準備はしている。ニーズを見て対応していきたい」(安藤マネージャー)とする。

河野マネージャーは、「軽量化に向けてまだ伸びしろはあると考えている。次につなげたいテーマはいくつもある」と語り、今後はバッテリ駆動時間の長時間化への挑戦や、カラーバリエーションの展開なども検討していきたいという。また、石川マネージャーも、「剛性を持たせながら、マグネシウムリチウム合金の利用領域をいかに広げていくかといったことも、これからの課題になる」とする。

そして、安藤マネージャーは、「『軽いPC』といったとき、これまで富士通の名前は挙がってこなかった。だが、これからは軽いPCを代表するPCメーカーのひとつとして、富士通の名前があがるように挑戦していきたい。そして国内の軽量モバイルPC市場の活性化につなげたい」とする。