2・キーを外していく
最初にキー引き抜き工具でキーを外していく。シート状のスイッチを押すメンブレン、キーひとつひとつにスイッチ機構を組み込んだメカニカル系のキーボードなら、通常は問題なくキーが引き抜ける。一方、ノートPCなどに使われているパンタグラフ式キーボードは、構造が複雑なためキーの引き抜きは避けた方が良い(戻せなくなってしまう)。パンタグラフの場合は上から柔らかい布で拭いたり、濡らした綿棒で汚れを軽くこする程度にしておいた方が良いだろう。
今回掃除するのはメンブレンキーボード(HHKB Lite2 日本語配列モデル・かな刻印あり)。そして木村氏曰く、「今回はメカニカルならキーが戻らなくなるレベル」の汚さだ。キーボードは防塵・防煙ではないため、埃やタバコの煙が基板・スイッチ機構に入り込み、チャタリング(1度の入力で連続入力されること)が発生したり、キーが壊れる可能性もあるという。
キー引き抜き工具には、小さな丸型のものと、先が針金になっている細長いタイプのものがある。丸型の引き抜き工具は、通常のキーを引き抜くのに便利だ。今回使っている、先が針金式になった細身のキー引き抜き工具は、通常キーに加え、[Shift]や[Space]、[Enter]などロングキーを引き抜きくのに向いている。
コツは、「力をかけず垂直に抜く」「ロングキーは斜めに抜く」「スタビライザに注意する」こと。スタビライザは、ロングキー内側に仕込まれているコの字型の細い金属で、多くのキーボードはこの機構でロングキーのどの場所を押してもキーが均等に押せるようになっている。一部のキーは、マイナスドライバーやピンセットのような細い棒を使い、スタビライザが曲がらないよう丁寧に外す必要がある。
今回は、スタビライザがあるキーも、引き抜き工具でそのまま抜くことができた。ちなみに、スタビライザは応急処置的に「あるもの」を塗ると滑りが良くなるという。これは最後、キーを再びはめ込むときに紹介しよう。
使ったモノ……キー引き抜き工具 |
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プロの視点……「キーが抜けるのはメンブレン・メカニカル系。抜くときは力をかけずにまっすぐに」 |
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