データ通信の高速化と、これを利用するアプリの充実は、携帯電話の「電話」機能を買える可能性がある。現在日本でも米国でも、音声通話を無料化するプランが一般的になってきた一方で、音声通話をあまりしないユーザーにとっては値上げとなり、日本ではMVNOのプランの魅力あるようになった。
iOS 10の電話アプリの開放は、日本においては、音声通話機能をあまり使わないユーザーにとってのアプリでの通話の利便性を高め、MVNO利用がより促進される可能性がある。その一方で、確実に電話がつながることへの価値を重視するユーザーがいることも確かだ。 通話に関するiPhoneでのユーザーの活用の変化は、今後、キャリアのサービス展開に影響を与える可能性もあるかもしれない。
松村太郎(まつむらたろう)
1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura