究極のスナップカメラ、としてのiPhoneも、新たな写真撮影の体験作りが生まれつつある。その1つが、iPhone 6sシリーズとiOS 9によって実現した「Live Photos」だ。本連載でも紹介済みだが、1枚の静止画のシャッターを切る際、前後1.5秒の動画と音声を付随して記録してくれる機能だ。

写真1枚の倍程度の保存領域を占有することになるが、決定的瞬間の前後の動きまで振り返ることができ、記録からぐっと思い出の感覚に近いアーカイブとなる。

ビデオのクオリティは、iPhoneの動画撮影モードのそれに比べると、画質もフレームレートもやや落ちる。それでも、動きがついた写真は、どこかハリーポッターの世界に出てくる新聞のようだし、Vineなどの短いソーシャルビデオ共有よりもさらに手軽で楽しいものだ。

これはハードウェアというよりはストレージやビデオの保存形式の問題だろうが、今後Live Photosのビデオ部分のクオリティが、写真と同等の解像度になれば、例えば、シャッターを押したのが決定的な瞬間を逃していても、表示するフレーム(ポスターフレーム)を後からずらして修正できるようになるはずだ。

もっとも、4Kのビデオを短く撮って、あとから良い瞬間を静止画として切り出せば同じことよさそうではある。