筆者は今年、仕事道具としてのパソコンとカメラを見直そうと考えて来た。

パソコンはすなわちMacのことだが、こちらについては、最新のOSであるOS X El Capitanを導入したところ、筆者の2012年に発売されたMacBook Pro 15インチRetinaディスプレイモデルのパフォーマンスが見違えるように早くなり、当面続けて使っていてもストレスないレベルになった。

カメラについては、オリンパスPEN LiteシリーズのE-PL3と、ニコンの一眼レフカメラD90を併用してきたが、これを一本化しようと目論んでいた。春からオリンパスOM-D E-M5 Mark II、ソニーα7 IIなどのミラーレス一眼を試してきたが、結果としては富士フイルムのミラーレスカメラX-T10を採用することになった。

試したどのミラーレスカメラも素晴らしい出来で、どれを選んでも満足できたことは間違いない。最終的な決め手となったのは、「最もiPhoneのカメラから遠い存在である」ということだった。

iPhone 6s Plusのカメラ。1,200万画素に強化され光学手ぶれ補正をサポートした、究極のスナップカメラといえる

iPhoneのカメラアプリは、基本的に、起動してシャッターを押せば良質な写真が撮影できるように、ハードウェア・ソフトウェアのテクノロジーを駆使している。iPhone 6s/6s Plusでは、1,200万画素に画素数を向上させ、画素間のカラーノイズを排除し、ピント合わせ用の画素を配置したセンサーを採用している。

またiPhone 6s Plusでは光学手ぶれ補正も利用できるようになったため、前述のE-M5 Mark IIやα7 IIで体験したような、ビシッと止まるぶれないビデオ撮影を体験できるようになった。ビデオは4K解像度をサポートし、iPhone内のiMovieで編集してもストレスを感じない。

筆者にとっては、ビデオについてはiPhoneで完結させる、と割り切ることができるだけの性能を、iPhone 6s Plusは備えてくれた。故に、ビデオ撮影機能の充実を両立させたミラーレスカメラ、というやや難しい選択条件を排除することができたのだ。

写真・ビデオの究極のスナップカメラと言うべきiPhoneの撮影体験。別にカメラを持つなら、ここからいかに遠ざかりながら、しかし実用的なカメラを持つか。こうして悩ましいカメラ選びの方針が明確になったのだ。