ステージでは孫社長とのトークを披露。Pepperは「たくさんのフラッシュをたかれて、めまいがしませんか?」と孫社長に話しかけ、社長から「慣れているから大丈夫だよ」と返答されると「実は僕も悪い気はしません。カメラマンさんのためにポーズをとりますね」と切り返すなど、"饒舌ぶり"を披露した。

表情こそ変わらないものの、身ぶり手ぶりを交えて人間と会話できる。頭部に4つの高性能マイクを搭載し、目には距離センサーを搭載する

きっかけは鉄腕アトム

孫社長は「世界初の、感情を持ったロボット。それがPepperです」と紹介する。家族の喜びを、自分の喜びとして認識できるパーソナルロボットを目指して開発したという。

開発のきっかけは、小さい頃に見ていたアニメ「鉄腕アトム」にあるという。「空を飛んで、100万馬力で悪者をやっつける姿に胸を踊らせていた。でも涙が流せない。人間の心がなかなか理解できない。痛い、悲しい、嬉しい、という感情が持てない。かわいそうだな、と小さい子供なりに思っていた。いつか理解できるようになると良いなと思っていた」と孫社長。「通信技術やコンピュータが発達し、ついに実現できる時代が訪れた。そんな折り、アルデバラン社のブルーノとの出会いがあった」と熱く語った。

感情を理解し、自ら動くロボットを理想とする

Pepperの強みはクラウドにある。個々の個体が学んだ「感情」などの情報をクラウドに蓄積することで、すべてのPepperで情報を共有できるという。集合体として学んでいくので、進化のスピードが驚くほど早いものになる。将来的には、家族・会社・店舗などで"何百万台"という規模のPepperを稼働させていきたい考えだ。

集合体として学び、感情などの情報をクラウドに蓄積させていく