ハイエンド構成のカスタマイズモデルはハンデを感じさせないパフォーマンス

では、評価機のパフォーマンスをチェックしてみよう。今回の評価機は、「20AL-CTO1WW」で、CTO、つまり直販モデルがベースだ。そして、けっこうカスタマイズしてある。

まずCPUは最上位のCore i7-4600U。2コア/4スレッドで、定格クロックは2.1GHzで、Turbo Boost時3.3GHz、L3キャッシュが4MBという仕様だ。統合GPUはIntel HD 4400で、定格200MHz、最大1.1GHzとなる。メモリは8GBと、搭載可能な最大容量。ストレージは256GBのSSD。液晶パネルは1920×1080ドットで、マルチタッチではなかった。バッテリーはフロント側3セルに、リア側3セル角型。

そのほか指紋センサーあり、スマートカードリーダーあり、無線LANカードがIntel Dual Band Wireless-AC7260+Bluetooth 4.0、OSはWindows 8と、ハイパフォーマンス高解像度ディスプレイパッケージをベースにかなりカスタマイズしており定価では20万円前後となる構成だ。

Windowsエクスペリエンスインデックス値は、プロセッサが7.1、メモリが7.2、グラフィックスが5.0、ゲーム用グラフィックスが6.4、プライマリハードディスクが7.6だった。グラフィックス系が弱いのは統合GPUを使用するため仕方ないところで、ただし他の項目は7ポイントを上回っているので、日々の業務には何ら問題ない。

Windowsエクスペリエンスインデックスの値。グラフィックス以外は十分な値で、シングルチャネル動作で不安だったメモリも、スコア上では7.2を付けている。DDR3-1600動作ならシングルチャネルでも十分という判定なのだろうか

PCMark 8の結果は、Homeが2149、Creativeが2473、Workが3245となった。統合GPUを利用するUltrabookとしては妥当なWork寄りのスコアだ。Storageは4922。SSDを採用していることから高スコアで、帯域幅の判定も208.46MB/secと高い。

PCMark 8のHome Scoreは2149。超低電圧版のCore i7を搭載するモデルとしてはまずまずのスコアなのは、Core i7-4600Uが定格2.1GHzと比較的高クロックだからだろうか

PCMark 8のCreative Scoreは2473。ゲーム性能も若干関わってくるためか、やや低めの傾向。ただ、メモリがシングルチャネルというUltrabookはほかにもあり、それらと比べれば妥当なスコア

PCMark 8のWork Scoreは3245。業務用途であれば十分なパフォーマンスを示しそうという印象だ

PCMark 8のStorage Scoreは4922。256GBのSSDを搭載しているため、スコアは十分。帯域幅の判定も208.46MB/sec

CINEBENCH R15では、CPUが235cb、Single Coreが122cbというスコア。2コア/4スレッドなので、妥当なところではある。MR Ratioが1.92と、単純な2倍に近い値にとどまっている。

CINEBENCH R15のスコアはCPUが235cb、Single Coreが122cb。Core i7-4500U搭載モデルと比べればバッチリスコアが上がっている

3DMarkは、Ice Stormが32896、Cloud Gateが3731、Fire Strikeが512となった。ゲームができないとは言えないが、できてもせいぜいDirectX 9ベースの軽量タイトルが中心といったところだろう。メモリがシングルチャネルであることも影響しているようで、CPU統合GPUという点から期待する性能に、さらに少し下のスコアになった。

3DMarkのスコア。全体的に低めではあるが問題なく完走した。ベンチマーク中はファンの回転数が上り、ややうるさく感じた

一応計測してみたドラゴンクエストX ベンチマークソフトでは、1,280×720ドットなら最高品質でも「普通」と判定された。ただし、1,920×1,080ドットの場合は低品質でも「やや重い」判定だ。

ドラゴンクエストXの場合、1,280×720ドットなら最高品質でも楽しめそう

ただし、1,920×1,080ドットになるとどの品質でもプレイは厳しい

また、ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編では、1,280×720ドットの標準品質(デスクトップPC&ノートPC)なら「やや快適」で、高品質や1,600×900ドットに引き上げると「設定変更を推奨」に落ちた。

同じ1,280×720ドットの標準品質(デスクトップPC)も、2746ポイントで同判定

ただし、1,920×1,080ドットになるとどの品質でもプレイは厳しい

解像度を1,600×900ドットに変えると途端にスコアが落ちて「設定変更を推奨」になる。おそらく、1,280×720ドット程度であればゲームデータのメモリへの転送もなんとか間に合うが、より解像度の大きくデータも大きな状態になると帯域不足に陥るといったところではないだろうか

BBenchを用いたバッテリー駆動時間は、バッテリー駆動時の規定の電源設定(Wi-Fi/Bluetoothオン)で6時間45分17秒で5%となり終了した。バックライトの輝度を3に、Bluetoothをオフとした場合は8時間19分52秒となった。カタログ値の14.9時間(※構成によるとの注意書きあり)とはかなり隔たりがある結果だが、ハイパフォーマンス構成であるため仕方ないところだろう。

取りあえず日中に出先で仕事をするという程度であればなんとかなるが、まる1日モバイルするとなると、6セルバッテリーを選択したくなるのではないだろうか。あるいはホットスワップ可能なので、予備バッテリーとして持ち運んでもいいだろう。

なお、昨今のスマートフォン・タブレットの流れで外部バッテリーを使うという手も一般に普及してきたが、ThinkPadの電源ジャックが角型になって以降、これに対応したチップをバンドルした外部バッテリーをまだ見たことが無い。

一応、海外では旧ThinkPadの丸型から新ThinkPadの角型に変換する純正チップが販売されているようだが、今のところ国内のレノボの周辺機器にこの製品が掲載された様子も無い。より長時間駆動を目指すなら、ここは素直に6セルバッテリーと、ホットスワップ機能に頼るのが良いだろうか。