重厚感あふれる本体
さて、そんなわけで製品はアタッシュケースに入る形で届いた(Photo12~14)。ケース内部には本体のみが鎮座している(Photo15,16)。
あらためて展開してみるとこんな具合(Photo17,18)。実測での寸法は、W305mm×D95mm×H38mmとなっていた(高さにはラジエター用のホースは含まず)。大きさ比較ということで、R9 290Xと並べたのがこちら(Photo19)である。
気になる重量だが、本体+ラジエターでは1883g、ラジエターを手で持った場合(本体+ホース)の重量は1302gだった。電源は8pin×2の構成(Photo20)。基本的には冷却はラジエターということで、無理にファンのまわりをトンネル構成にする必要もないためか、外装は結構間隙が目立つ(Photo21,22)。出力はDVI-D+MiniDisplayPort×4の構成(Photo23)となっている。
ちなみに今回分解不可ということで、代わりにAMD提供の分解写真をご紹介する。先ほどのPhoto08にも出てきたが、内部はこんな具合に完全な4ピース構成(Photo24)となっている。
ヒートシンクは中央に銅板のフィンが配されており、外側のファンはここを冷却する形となる(Photo25)。ボードの構成としてはこれまでと同様に、2つのGPUがPLXのPCIe Switchで接続される形態になっている(Photo26)。
Photo26:Nekechuk氏曰く、SwitchはPLXの48レーンのPCIe 3.0スイッチであるPEX8748とのこと。 |
WindowsにおけるPerformance Indexはこんな感じ(Photo27)。なぜかGPU-Zでは正しく認識されなかった(Photo28,29)が、むろんCCC(Catalyst Control Center)では正しく認識されている(Photo30)。
Photo28:R9-290XのDevice IDは1002-67B0だが、こちらは1002-67B9になっており、このIDをGPU-Zが認識できないためと思われる。Bandwidthが何か愉快なことに |
Photo29:一応、ちゃんと2GPUであることは認識されている |
当たり前といえば当たり前だが、デフォルトでCrossFireXは有効である(Photo31)。それはいいのだが、一応無効にできる(Photo32)のはちょっと面白い。オーバークロック動作も当然可能(Photo33)となっている。
テスト環境
ということでそれではテスト環境の紹介を行いたい。今回は比較対象として同じDual GPUのRadeon HD 7990と、従来のハイエンドであるRadeon R9 290X、他にNVIDIAのGeForce GTX 780とGeForce GTX 780Tiを用意した。
さすがにGeForce Titan Blackはほとんど日本市場に存在しておらず、GeForce Titan Zに至ってはまだ製品が出ていないので、事実上はGeForce GTX 780 TiとRadeon R9 295Xの一騎打ちという形になるかと思う。その他のテスト環境は表1に示す通りだ。
■表1 今回のテスト環境その1 | |||||
CPU | Intel Core i7-4770K | ||||
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M/B | ASUSTeK Z87-PRO V Edition | ||||
BIOS | BIOS 1707 | ||||
Driver | Intel Inf Driver 9.5.14.1724 | ||||
Memory |
XMP-1866 CL10 16GB (Corsair VENGEANCE CMZ16GX3M2A1866C10 8GB×2) ※DDR3-1866 CL10動作 |
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Graphics | RADEON R9 295X2 Reference | RADEON HD 7990 Reference | RADEON R9 290X Reference | GeForce GTX 780Ti Reference | GeForce GTX 780 Reference |
Graphics Driver | Catalyst 14.4 Beta | Catalyst 14.3 Beta B22 | GeForce Driver 335.23 WHQL | ||
Storage | Intel SSD520 128GB(System) + HGST HDP725050GLA360 500GB(Data) | ||||
OS | Windows 7 Ultimate 64bit 日本語版+SP1 |
ちなみにちょっと画面解像度に関して説明を。今回AMDは4K解像度を全面に打ち出している。米AMDでデスクトップ向けグラフィックス・プロダクトマネージャーを務めるDevon Nekechuk氏曰く「この製品をHD解像度で試すのは、個人的には侮辱だと思う(笑)」といった挑発的なメッセージを述べていた。
まぁそれはともかく筆者はいつも通りSD解像度から全部試すのだが、一応4Kに対応するためにDELLの4K DisplayであるUP2414Qを用意した。
それはいいのだが、AMD系のビデオカードの場合、これを組み合わせると2560×1440pixel付近の解像度サポートが無く、2048×1536pixel→3840×2160pixelとなる(Photo34)。
Photo34:DisplayPort 1.2対応ケーブルを使っているので、本来なら60Hzで出力できるはずなのに、なぜか30Hzどまり。まぁ今回はVSYNC Offでテストを行っているので問題はないのだが |
一方NVIDIA系は、2560×1600pixelのサポートが残されている(Photo35)。そんなわけで、NVIDIA系に関しては2560×1600pixelのテストも行ったが、AMD系は2560×1600pixelを省いた形でのテストとなっている。
もう1つ注意したい点が電源だ。今回、電源に関してAMDからは
- 8pinの12V補助電源は、それぞれ28Aを供給できること。
- 合計で50A以上の12Vが供給できること。
- システム全体では1KWクラスの電源を供給できること。
が必要とアナウンスされている。筆者の場合はオウルテックのAUU-1000PROでテストを無事に完了できたが、1000Wクラスなら無条件で利用できるとは限らない。
これに関しては別途AMDから推奨電源リストが提供される予定だ(Nekechuk氏は「既に公開している」と述べていたが、彼の述べたURLがNot Foundなあたり、おそらく後で公開されるのだろう)。
ちなみにグラフの表記であるが、
- GTX780 : GeForce GTX 780 Reference
- GTX780Ti : GeForce GTX 780 Ti Reference
- HD 7990 : Radeon HD 7990 Reference
- R9 290X : Radeon R9 290X Reference
- R9 295X2 : Radeon R9 295X2 Reference
となっている。またMantle環境でのテストに関しては
- HD 7990 D3D : Radeon HD 7990 ReferenceをDirect 3Dで利用
- HD 7990 Mantle : Radeon HD 7990 ReferenceをMantleで利用
- R9 290X D3D : Radeon R9 290X ReferenceをDirect 3Dで利用
- R9 290X Mantle : Radeon R9 290X ReferenceをMantleで利用
- R9 295X2 D3D : Radeon R9 295X2 ReferenceをDirect 3Dで利用
- R9 295X2 Mantle : Radeon R9 295X2 ReferenceをMantleで利用
としている。