PCMark 8 v2.0.162(グラフ144~151)

FutureMark
http://www.futuremark.com/

ここからはアプリケーションテストになる。まずはPCMark 8。去る1月18日、FutureMarkはPCMark 8のv2.0.191を一般公開した。で、こちらのテストはv2.0.162をベースとしている。そこでFutureMarkに2つの結果の互換性を確認したところ、v2.0.162とv2.0.191はテストに関しては完全に同一で、スコアも全く同じである(違いは若干のUI変更とバグフィックスのみ)という返事をもらったので、今回はこのv2.0.162のままの結果を示す。

さて、まずグラフ144がOverallである。Home/Creative/Workのいずれのケースでも、OpenCLを使わない場合はHaswellが最高速であって、KaveriはRichlandよりはマシといいつつも、明確に性能差が存在する。が、OpenCLを使うとKaveriのスコアはHaswellと互角か、あるいは上回るあたりまでスピードアップする。

同じ様にOpenCLを使ってもRichlandはそこまで性能が上がらないというか、絶対性能は上がっているのだが、Haswellの側も性能が上がってるので、結局追いつかないという形になっている。

前編ではこのOverallのみを示したが、今回はもう少し細かくみてみたい。グラフ145~151はそれぞれのテストの詳細を示したものである。ちなみにグラフの棒の長さは、Richlandのスコアを100%としたときの相対性能を示し、棒の中の数字は実際のテスト結果を示している。

まずグラフ145はOpenCLを使わない「Home」の結果である。Kaveriの性能は、Casual Gamingを除くとおおむねRichlandと同等か微妙に遅いというあたりであり、Haswellと比較にはならないレベルである。

ではこれがOpenCLを利用するとどうなるか、というのがグラフ146である。Video ChatとPhoto EditingではOpenCLが効果があった。というレベルの話で逆に言えばそのほかはほとんど効果が無い(Amazoniaなど大幅に遅くなる)ともいえる。まぁこれは予想できる範疇ではある。

次は「Creative」(グラフ147)。ここでもGamingで多少性能の伸びはあるが、それを除くとRichlandとほとんど代わらないというのがKaveriの成績で、Haswellとはまだ差がある。強いて言えばVideo Group ChatではどのCPUでも大差ない、というあたりが救いだろうか。

ではOpenCLを使うとどうか? というのがグラフ148であるが、EncodingやEditingで随分Kaveriの伸びが大きい。ただ目立たないながらもHaswellも結構な伸びを見せており、こちらもゲームを除くとHaswellの方が概して有利といった形になっている。

グラフ149がLibre Officeを使った「Work」の結果で、OpenCLを使わないとご覧の通りHaswellが有利である。これはもうあんまり考えるまでもないのだが、ではOpenCLを使うとどうか? というのがグラフ150。当たり前であるが、Writingでは全く効果が無い。ただSpreadsheetでは再計算などが多少速くなっているが、その差はRichlandと比べても15%ほどだから、大きいというほどのものでもない。

一番大きく性能が伸びたのはVideo ChatのEncodingであるが、果たしてこれがどこまで嬉しいのかという話はある。強いて言えばCPUを使わずにEncodeの大半の処理が終わる関係でCPU負荷が減る事が一番のメリットであろうか。グラフ144でWorkのスコア差が減っているといっても、そのほとんどがVideo ChatのEncodeであることは注意しておく必要がある。

最後にグラフ151がStorageの結果である。こちらは差が無いので相対性能ではなく結果の数値を示している(結果に2桁のばらつきがあるので、対数軸で示している)。さてこちらはもう結果見ていただくと分かるとおり、「大差なし」で、グラフ144の結果そのまんまである。このテストではCPUよりもStorageの方が支配的なので、より高速なSSDを持ってくればもう少し性能が改善するだろうし、逆にHDDにしたらぐんと遅くなるであろう。