そして孫氏が最後に挙げたのが「Wireline Broadband」つまり「有線ブロードバンド」の話だ。日本では都市部を中心にFTTH接続がごく当たり前のものとなりつつあり、地域によってはCATVを利用したり、あるいは利用料金を節約したいというユーザーがADSLを選択したりと、比較的バラエティに富んでいる印象がある。

有線ブロードバンドについても言及。容量あたりの利用料金は米国が主要国の中で最も割高だという。この点で日本の料金を引き下げたのは自身の功績だとアピールするのも忘れない

個人差はあると思うが、接続速度に比して利用料金は全体に安めだというのが個人的感想だ。一方で米国だが、ComcastのようなCATV事業者と地域系電話会社が提供するDSLサービスが中心であり、そのほか都市部を中心に提供がスタートしているFTTH系のサービスといった分布になっている。最新の調査によれば、数年前までメジャーだったダイヤルアップ接続は数%程度の水準まで下がったが、低所得層の多くは有線インターネットよりも携帯電話(またはスマートフォン)経由でのインターネット接続にシフトしてきているという話もある。

米国における有線ブロードバンドの選択肢は主にCATVで、次いでDSL系(もしくはFTTH)の回線となるが、全世帯の3分の2が2つ以下の事業者の選択肢しかなく、競争原理が働いていないと指摘