iOSアプリ『HF Player』は、DSD(2.8/5.6MHz)およびWAV/FLAC(最大192kHz/24bit)をサポートするサウンドプレイヤー。動作環境はiOS 7以降、対応機器はiPhone 4S以降/iPod touch(第5世代以降)/iPad 2以降/iPad miniだ。アプリ本体は無償だが、ハイレゾ再生にはアプリ内からアドオン「HDプレーヤーパック」(1,000円)を購入する必要がある。
HF Playerの目玉は、やはり「DSD」のサポートだろう。DSD(Direct Stream Digital)は、当初スーパーオーディオCD(SACD)向けに開発されたデジタル信号の変換方式で、音声信号の振幅の大きさを1bitのパルスの濃淡で表現する(パルス密度変調方式)。DSDの波形はアナログ波形に極めて近く、その周波数特性は理論上100kHzを超えるという高音質オーディオフォーマットだ。
HD Playerでは、DSDの伝送方式としてPCM変換のほか「DoP」(DSD over PCM flames)を選択できる。DoPはDSDネイティブ再生を可能にする方式のひとつで、PCM信号と見せかけてUSB経由でDSD信号を送信する(USBのAudio Classの伝送がDSDに対応していないための措置)。なお、HF PlayerにおいてDoPは"実験的な機能"とされ、DSD再生中に着信音など音楽以外の音を鳴らさないよう推奨している。