ほぼすべてのスマートフォンは、デジタルオーディオプレイヤーとしての機能を備えている。それはサウンドファイルを再生(デコード)し、音として出力する処理のことだが、どこへ出力するかで信号が異なる。iPhoneの場合、直接ヘッドフォンで聴く場合はステレオミニジャックへの出力、つまりデジタル→アナログ変換(DA変換)が行われる。オーディオコンポで聴く場合はLightning端子を使用するため、アナログ変換を経ないデジタル信号のままでの出力となる。
iPhoneに搭載されているDAC(DA変換を行うIC)は、最大48kHz/24bitという情報量に対応している。iOSに付属のプレイヤーアプリ『ミュージック』は、96kHz/24bitのWAVファイルも再生してしまうが、DA変換時に48kHz/24bitへと丸められてしまうため、96kHz/24bit本来の音質は得られない。ちなみに、2013年秋発売のSONYウォークマン(NW-ZX1/NW-F880)では、DACとアンプを一体化したチップ「S-Master HX」を利用することで、最高192kHz/24bitのハイレゾ再生を実現している。
しかし、アナログ変換を行わずデジタル信号をそのまま出力できるiPhoneには、ひとつの"解決策"がある。それは、「Apple iPad Camera Connection Kit」(以下、Camera Connection Kit)を利用し、外部のUSBオーディオ機器(USB-DAC)へデジタル信号を出力することだ。