消費電力(グラフ104~109)

ここまでのテストは、概ねCore i7-2700KとCore i7-3770Kが拮抗する結果が続いてきたわけだが、大差がついたのがこちら。まずグラフ104はSandra 2012でDhrystoneとWhetstoneを実施した際の実効消費電力をプロットした結果であるが、ご覧の通り60W近い差が付いている。ただ今回の場合、全部異なるマザーボードなので無負荷時の消費電力がそもそも異なっている。これをクリアにするため、無負荷時の消費電力との差を示したのがグラフ105である。Sandy Bridge系2製品は動作中の消費電力変動が結構大きいが、一応それぞれの平均値を取ると、Dhrystoneが、

Core i7-2700K 97.6W
Core i7-3770K 54.9W
Core i7-3960X 126.3W

Whetstoneが、

Core i7-2700K 86.3W
Core i7-3770K 46.5W
Core i7-3960X 108.8W

といった結果になった。勿論この数字は単にCPUのみならずMemoryとかPCI Express、PCHなどの消費電力まで含んでの数字だから、CPUの消費電力だけが40W下がった訳ではないが、これはかなり大きな消費電力減である。

同様に、3DMark11のGame Test 1~4をXtreme Profileで実行した際の実効消費電力がグラフ106、同様に実行消費電力差がグラフ107である。こちらのケースでは、一番消費電力を喰うのがRadeon HD 7970なのでもう少し差が縮まるかと思ったが、特にCore i7-2700Kの結果は残り2製品と明確に異なっていることが判る。

グラフ108はMainConceptのReference 2.20+H.264/AVC Proでのエンコード。こちらはフルにやるのも何なので、30秒~50秒程度でエンコードを打ち切っている(開始タイミングを合わせてあるのに、終わりがばらばらなのはそのため)。こちらもまた明確にグラフが分離した感じが強い。こちらの消費電力差を取ったのがグラフ109であるが、こうしてみるとCore i7-2700Kの最高値はCore i7-3960X並みに触れているのが判る。平均すると90W台なので、100Wを超えているCore i7-3960Xほどには大きくないが、平均値が50W台のCore i7-3770Kとは比較にならない。

概ね、この3つのテストを通して言うと稼動時の消費電力は40W程度下がっているのは間違いなさそうだ。性能/消費電力比を2倍にする(Photo16)という目標は、決して空絵事ではないことがここから確認できた。

この消費電力に関するもう少し細かな分析は、後ほどPart 2であらためて行いたい。