アルゴリズムを改善し、暗所でのAFも速くなった

CX550Vでは、AFアルゴリズムを改善。AF性能が従来機種の約2倍にアップ。より正確で速いフォーカスとなった。もともとソニーのハンディカムシリーズはフォーカスが速く、その性能に磨きがかかったといっても体感しにくい。AF性能の向上がよくわかるのが、暗所でのAF性能だ。

一般的なビデオカメラに搭載されるAFはコントラスト検出という方式で、撮像素子で受け取った被写体のコントラストが一番高い部分をシャープにする方向でフォーカスを合わせる。顔認識の場合は、顔らしき配置のコントラストを追い続け、その部分のコントラストで判断するのだ。したがって、照度が足りず画面全体が暗い夜景などではフォーカスが合いにくく、一度合ったとしても外れやすい。今回、AFアルゴリズムが改善され、暗い遠景、つまり人物などが入らない夜景でもフォーカスが速くなったというのはありがたい。

暗所性能

【LOW LUX オフ】

【LOW LUX オン】

多少のノイズは増えるが、ゲインアップして暗所でも明るく撮れる「LOW LUX」モードは、ナイトショットとは違った使い方ができるので積極的に使っていきたい。「LOW LUX」がオフの状態で撮影すると肉眼で見た印象に近い明るさになる。これはこれですごいのだが、「LOW LUX」を入れると肉眼以上に明るく撮影できるのだ。暗所でのフォーカスが速くなったというのもポイントだが、ナイトショットや「LOW LUX」モードと暗所撮影に対するアプローチが多いのはありがたい

広角化でさらに手ブレ減少。ズームしてもブレない

前モデルCX520Vで採用された「光学式手ブレ補正+BIONZ補正」(アクティブモード)は、上下左右のブレを広範囲で補正する光学式に加え、動画としては世界初の回転を補正する電子式手ブレ補正をプラスしたハイブリッド方式だった。まるで映画やドラマで使われる、滑るような移動ショットが撮影でき、初めて撮影したときは驚きと興奮を感じたものだ。画角チェックのページで説明したとおり、新しくなったアクティブモード手ブレ補正では、テレ端まで電子補正エリアが延長され、ズームしてもブレなくなった。さらにワイド端ではレンズを広角化することによってブレが目立ちにくくなり、一層手ブレに強いカメラに成長した。

手ブレ補正オフ

アクティブモード

アクティブモード+ズーム

ワイドレンズの恩恵か、手ブレ補正がオフの状態でも被写体が画面からはみ出ることなく、それなりに状況もわかるように撮影できた。しかし、画面の揺れはひどく、この状態が続くと見ている方は酔ってしまうかも(映像はHDR-CX550Vで撮影し、付属ソフトPMBでWMVに変換)

階段の上り下りをはじめ、地下道内では頭をかがまなくてはならず、厳しい状況下で撮影した割にスムーズに撮れた。見てわかるようにけっこうなスピードで走っている。歩く程度のスピードならもっとスムーズになるだろう(映像は、HDR-CX550Vで撮影し、付属ソフトPMBでWMVに変換)

望遠側では、まるで三脚を使っているかのように手ブレが少なく撮影できた。望遠~広角間のズームをしてもスムーズで、ちょっとした撮影であれば三脚は不要と思えるような安定感だ(映像は、HDR-CX550Vで撮影し、付属ソフトPMBでWMVに変換)