FXモードは制限あり。普段はHQ、画質優先でもFHで十分なクオリティ

そもそも低ビットレートでも必要十分な画面構成と動きを確保することが特徴だったAVCHDフォーマットだが、さらにビットレートを上げることで、ほとんどのシーンで破綻しない撮影が可能になる。CX550VはAVCHDフォーマットの最高ビットレートである24MbpsのFXモードが新たに搭載された。また、従来機での最高画質だったFHモードのビットレートが16Mbpsから17Mbpsに変更となり、7MbpsのSPモードが廃止されている。

初期設定値はHD画質のHQモード(音声 5.1ch)。1920×1080のフルHD解像度は上位FXモード、FHモードのみとなる。なお、最高画質のFXモードに設定すると、動画撮影中の静止画同時撮影はできなくなり、DVDライターやパソコンではDVDディスクにハイビジョン画質の映像(AVCHD規格)を記録できないという制限があるので注意したい。FXモードで撮影された映像は、ブルーレイディスクのみダビング、コピーが可能となる。

今回試用した限りでは、スポーツ撮影などの非常に素早いカメラワークをしない限り、HQモードでも十分な描写を得られた。LPモードではパンやズーム時に若干モザイク状の画面になるのが気になったが、それ以外の場面では特に画質が悪いという印象はなかった。ユーザーごとに使い方や被写体が違うので一概にはいえないが、本格的なスポーツ撮影や業務用途で使うのであればFXモードに切り替えたくなる。しかし、魅力的な機能のひとつである動画撮影中の静止画同時撮影ができなかったり、撮影後のハンドリングに制限がでることを考えると、高画質ならFHモード、普段はHQモードといったチョイスで十分ではないだろうか。

記録モード
【HD画質】
(MPEG-4
AVC/H.264)
FXモード 24Mbps
FHモード 17Mbps
HQモード 9Mbps
LPモード 5Mbps
【SD画質】
(MPEG-2 PS)
HQモード 9Mbps
平均ビットレート/VBR

動画、および静止画の画質チェックをするため河川で撮影した。河原にはアシが群生し細かい石が並んでいるし、水面には波紋が広がっている。ビットレートを持って行かれやすい状況で、細かいディテールがどこまで再現できてるかチェックした

動画

【HD画質】FXモードFHモードHQモードLPモード
【SD画質】HQモード

標準設定となるHQモード(HD画質)では、水面の波紋に細かいノイズが見えるが、おおむね良好。LPモードだと、さすがに水面に反射したアシと波紋のディテールは溶けてしまっている。細かいところを気にしなければLPモードもありだと思うが、FHモードやHQモードを中心に使っていきたいところ

静止画

1,200万画素相当 4:3(4,000×3,000ドット)

900万画素相当16:9(4,000×2,250ドット)

620万画素相当 4:3(2,880×2,160ドット)

190万画素相当 4:3(1,600×1,200ドット)

30万画素相当 4:3(640×480ドット)

1,200万画素相当の最高画質を見ると、全体的に像が甘く、高コントラスト部の色収差も目立つ。ビデオカメラでこれだけ撮影できれば十分という考え方もあるが、やはり専用のデジカメと同様の画質を求めるわけにはいかないのだろう。ブログなど、WEB用途でレタッチや縮小を前提としているなら問題ない画質なのだろうが、そのまま大判プリントするにはやや厳しいといえる