新しく登場した「HDR-CX550V」。前モデルにあたる「HDR-CX500V」「HDR-CX520V」は、ビューファインダーなどのデバイスを省略して小型軽量ボディを目指したモデルだった。このコンセプト"高画質コンパクト"は、下位モデルの「HDR-CX370V」に譲り、今回発表された「HDR-CX550V」は、ボディサイズや重量が若干増したものの、充実した機能と進化したデバイスを有している。同時発表されたHDD記録タイプの「HDR-XR550V」とともにハンディカム2010年春モデルのフラッグシップという位置づけだ。今回「HDR-CX550V」をいち早く試用できたので、その使い勝手をレポートしよう。

※今回使用したのは試作モデルです。生産モデルでは一部異なる可能性があります。

業務用AVCHDから移植された高機能

今年1月7日に発表され、同日発売という異例のデビューを果たした業務用AVCHD「NXCAM(エヌエックスカム)」シリーズのカムコーダー「HXR-NX5J」は、魅力的な機能が搭載されていた。AVCHD規格で最高となる24Mbpsの記録ビットレートに対応すると同時に、メモリー記録タイプのカムコーダーとして初めてSD/SDHCカードにも対応した(メモリースティックPRO デュオと両対応)。業務用カメラと家庭用カメラは、どちらかで新しいメカニズムや機能があると、ほぼ同時期にもう一方に反映されることが多い。業務用カメラで搭載された画質やユーザビリティを大幅に向上させる要素を、家庭用ハンディカムに搭載したのが今回紹介する「HDR-CX550V」といえる。

CX550Vに搭載された新しい機能や追加された装備をざっと挙げると、広角レンズ、新光学式手ブレ補正(ズーム対応アクティブモード)、24Mbps記録対応、「iAUTO」機能、ビューファインダー、カメラコントロールダイヤル、ゴルフショット撮影、3.5型エクストラファイン液晶、SD/SDHCカード対応といったところ。ほかにも細かなところまで使い勝手や機能の向上が図られている。今回借りた試作機は残念ながらSDカードの対応が間に合わなかったが、それ以外の注目の機能を中心にチェックしてみよう。

まずは外観から。同時発売されるHDD記録タイプのXR550Vと、機能だけでなく外観もそっくりだ。しかしHDDのプロテクションが必要なXR550Vと比べ、メモリー記録タイプのCX550Vはグリップがスッキリした印象。ちなみに内蔵されるメモリーの容量は64GB。最高画質のFXモード(平均ビットレート/VBR 24Mbps)で約6時間、LPモード(2チャンネル記録時・平均ビットレート/VBR 5Mbps)で約26時間35分の記録が可能となっている。

ボディカラーはブラックを基調としたもののみ。シルバーやカラーモデルのような軽快感はなくなったがフラッグシップ機としての存在感と高級感は十分に演出されている。液晶パネルカバー周りはやや青みがかったブラックメタリック。鏡筒部、パネルカバー、樹脂パーツなど、部品ごとに反射率や色合いが違う仕上がりになっているため、環境によって変化に富んだ表情になる。質感を含めてうまく写真で表現しにくいため、実機を店頭で見て改めて確認して欲しいところだ。

ブラックを基調としたカラーで、流れるようなフォルムが特徴

鏡筒部はボリュームがあり、存在感あふれるものになっている

スッキリとしたグリップで、ボディラインに沿ったホールドに

液晶を閉じた状態でも、左手で支えやすい形状になっている

メニュー操作は液晶に集約されているため、シンプルな背面

正面(液晶オープン時)

背面(液晶オープン時)

液晶側(液晶オープン時)

グリップ部は盛り上がりが少なく、コンパクトな量感