CARS : Tokyo Mater~あの「カーズ」の続編の舞台は東京に!?

大御所PIXARの招待作品。こちらは招待作品として、ニューオリンズで8月に開催された本家SIGGRAPH2009のCAFでも公開された作品だが、日本で開催のSIGGRAPH ASIAということなのか、なんと日本語吹き替えバージョンでの公開が実現していた。

今作「CARS : Tokyo Mater」では、スポーツカーのチューニングに明け暮れる車マニアの世界を描いたアクション映画「ワイルドスピード」のテイストを、あの「カーズ」の世界に持ち込んでしまったパロディ作品となっている。

おんぼろ牽引車のメーターは、本編の主人公ライトニングマックイーンに自慢げに語り出す。自分はかつて東京にいたことがあり、東京の悪者車とストリートレースをしたことがある、と。そのレースの際にはピカピカの外装カスタマイズを受けてド派手なドリフトを連発したのだとか。虚言癖があるメーターの話は果たしてどこまでホントなのか……。

舞台となる東京は、欧米から見た東京のイメージである「ネオンがきらめく金属質な街」として描かれており、広大なカントリーサイドな風情が漂っていた本編とは打って変わった風情。本作の東京は、たとえるならばなんだか「トロン」で描かれた電子世界のよう。

本編はこちらで見ることができる。

まとめ

SIGGRPAH ASIAのETは日本からの参加割合が多いせいか、ET,CAF入選作にゲーム関連作品が多く目立っていた。本稿ではスペースの都合で紹介しきれていないが、ここで紹介した作品以外のゲーム関連作品としてはETではゲーム版「Transformers:Revenge Of The Fallen」のオープニング映像、CAFでは「Sonic: Night of the Werehog」、「FINAL FANTASY XIV」などがあった。来年のSIGGRAPH ASIAは、同じくゲーム大国である韓国での開催となるため、来年も、この傾向が続くのかも知れない。

この他、傾向としては、科学技術計算のビジュアライズや自然科学のシミュレーションの映像などが少なく、リアルタイムレンダリング作品がほとんどなくなってしまったことが挙げられる。これは少々寂しいところ。2009年は待望のDirectX11が登場した年であり、GPUのポテンシャルはさらに向上した。なので来年以降はそうしたテーマ作品のET,CAF入選の増加傾向を期待したい。

(トライゼット西川善司)