網走、知床といえば、豊かな自然がまず見どころとして挙げられる。しかし食欲のみ旺盛な熟年の私たちとしては、できれば自然の美しさより自然の恵みを堪能したい。そこで、味覚と温泉を求めて2日間、熟年2人が地元出身の女性のガイドを頼りに、網走、知床半島の注目スポットを駆け足で巡った。

かにの大内
北海道網走市字ニツ岩168番地
正面は水槽があり、カニは左側の建物で食べられる

羽田を飛び立って約100分後の朝8時30分、私とカメラマンの2人は女満別空港に到着。降り立った空港の空は晴れわたり、幸先のよく天候に恵まれた。空港まで迎えにきてくれたガイドの陽子さん(25歳)とおちあい、さっそく空港でレンタカーを借りて網走に向かって走り出した。女満別空港からはひたすら北上。途中網走湖の呼人浦キャンプ場付近からの風景に感動しながら、網走刑務所前にさしかかった。予定では網走刑務所を見学するはずだったが、朝食をとらなかったカメラマンが腹を空かせてやかましい。そこで観光スポットはパスして、グルメスポットへ直行することとなった。

「流氷あらい」で注文するとこのスタイルで出てくる。料金はおまけしてもらい8,000円

網走駅を過ぎ、オホーツク海を右に見ながら熊取岬へ向けて北に進むと見えてくるのが、海に突き出た巨大な岩二つ。この景勝地、二ツ岩海岸にあるのが最初のグルメスポット、「かにの大内」である。かにの大内は網走の現役漁師、大内隆一さんが経営するお店。オホーツクをそのまま味わえるよう、水揚げされたカニを海水を貯めた水槽で飼育。海と同じ環境におくことで鮮度を保ち、美味しいお刺身にして食べさせてくれるという、陽子さんイチ押しのお店だ。

「いつも食べてますから」と言うわりに、食べるのが異常に早い陽子さん

「大内さんがあみだした流氷あらいで食べるタラバガニは最高ですよ」なんて言うものだから、腹を空かせたカメラマンが撮影の手を止めてまう始末。大内さんは予算に応じた大きさのカニを水槽から出して、なんと素手でカニの殻を剥く。さすが現役漁師。そのカニの身を氷水につけてあらうと、ほんのりさくら色をしたぷりぷりのお刺身になる。これをそのまま口へ。うまい! うますぎる。撮影をすっかり忘れ、目の色を変えて飛びつくカメラマン。皿のまわりは一瞬修羅場と化した。……続いて人気ロシア料理店へ

これはお土産用として購入した4キロのタラバガニ2万円