見た目は普通のお寿司屋さん。しかし、いさみ寿司はネタが違う

お土産を調達したあと向かったのは、杉本商店からわずか100メートルほどのところにある、「いさみ寿司」。実はお昼の営業は夏だけなのだが、無理を言って食べさせてもらった。普段は地元の人で超満員らしいが、このときはまさに貸し切り状態。そこでまずは「とっておき一品」を食べさせてもらった。鮭児である。鮭児とはロシアのアムール川に7、8月に遡上するシロザケが、11月上旬から中旬、主に知床から網走付近において成長途中で捕獲されるものだ。そのため羅臼漁協全体で1年間に数百尾程度しか水揚げされず「まぼろしの鮭」と言われている。まずそれを食べさせてくれるという。

出てきた鮭児は、普通の鮭とは違い鮮やかなオレンジ色をしていて、見た目も脂が乗っていておいしそう。口に運んでみるとまさにとろけるような美味しさで、極上の大トロのようだ。しかも鮭のようになクセがまったくない。いさみ寿司でも知床羅臼産の鮭児はとりわけ人気なのだそうだ。

鮭児のにぎり、値段は時価で1カン1,000円から。いつもあるとは限らない

おトクな「知床にぎり」(3,000円)もある。ネタはその時々だが、この日は、スケ(マス)、ホタテ、ボタンエビ、サメガレイ、カニ、オヒョウ、メンメ、ウニ、イクラ、内子、ツブであった

鮭児のあと、一度食べてみたかった脂ののったメンメ、ボタンエビ、カニの内子(卵巣)、超新鮮でうまい生サンマのにぎりなど、美味しいネタがメジロ押し。なかでももっとも感動したのがウニだ。羅臼昆布をえさにして育った羅臼産のウニの旨さは東京でも有名だが、地元で食べるウニはさらに格別。採れたてをすぐ食べるので鮮度がまったく違う。鮭児と並んでおススメしたい一品だ。……マニアもうなる本格派温泉へ

いさみ寿司で満腹状態となった我々は、腹ごなしのため近くの小高い丘の上にある「羅臼国後展望塔」に上り、羅臼港と遠くの国後島を一望した