次に向かったのは大空町「ひがしもこと乳酪館」。網走からオホーツク海岸を東に走り藻琴へ行き、そこから藻琴湖を見ながら南へ、そのままオホーツク温泉を抜けところに東藻琴がある。そこは人口よりも牛の数が多い酪農の地。ひがしもこと乳酪館はその中心部、小高い丘の上に建っている。道外から訪れる観光客は少ないという。
東藻琴では昭和50年代後半から余剰牛乳の有効利用を目的にチーズ造りをスタートし、以降地道に地場産業の育成を図ってきた。その甲斐あってチーズの販売量の増加にともない原料乳の生産量も大幅に増え、平成8年に生産能力の向上や新製品の開発、研究をめざした施設、ひがしもこと乳酪館を開館。地元の牛乳を使った村の特産品の販売も行っているとのこと。
チーズの作り方や歴史など、ひと通り説明を受けたあと、お目当ての販売・試食コーナーへ。カマンベールやゴーダ、チェダー、スモークなどの東藻琴の特産チーズが集められている。試食してとりわけ美味しかったのがカマンベールチーズ。中がクリーミーで柔らかく濃厚、しかも香りがよく味わい深い。ワイン好きのカメラマンによれば、クラッカーにのせればワインにピッタリ合うという。「これをお土産に買って帰ったらさぞ喜ばれるだろう」などとマジメにチーズを試食している横で、陽子さんはひとりカマンベール味のソフトクリームを食べていた。……ウトロで唯一海辺に建つホテルへ