E-3譲りの素早いAF

オートフォーカス性能について見てみよう。E-30のAFセンサーは、フラッグシップ機であるE-3のオートフォーカスと同じく11点すべてにクロスセンサーを採用している。AFのテストは14-54mm F2.8-3.5 IIを使用し、中央と左端のAFポイントを使ってフォーカス時間を計測した。AF速度はとても速い。通常撮影でも気持ちよく撮影でき、意図した位置にほぼ正しく合焦してくれた。E-3+ED 12-60mm F2.8-4.0の組合わせよりはAF速度が若干劣るが、それほど差は感じなかった。

手ブレ補正機能については、1/8秒あたりより遅いシャッター速度で、「シュルシュルシュル」というモーターの動きが強く聞こえるようになる。E-520ではさらにカメラが動くような駆動感も伝わってきたが、E-30はボディが大きいためか、E-520ほど強くは感じない。14-54mm F2.8-3.5 IIを使って手ブレ補正テストも行なったが、最大で約3.5段程度の効果がえられた。これはかなり強力だろう。

オートフォーカスの速さを測定。測定方法は秒針が「0」を指したときにレリーズし、撮影までの時間を画像から読み取っている。そのためレリーズタイムラグなども含まれる。AFターゲットは左端と中央を使用、被写体との距離は98cm。[14-54mm F2.8-3.5 II / L+F(JPEG) / 54mm(108mm相当) / マニュアル(F3.5、1/60秒) / ISO 100 / WB:オート / 仕上がり:NATURAL]

手ブレ補正機構ISは、通常の手ブレ補正の「I.S. 1」、横方向の流し撮り用の「I.S. 2」、縦方向の流し撮り用の「I.S. 3」の3種類が用意されている。少々いびつなグラフになったが、手ブレ補正が強力に効いていることが伺える。[14-54mm F2.8-3.5 II / L+N(JPEG) / 54mm(108mm相当) / シャッター速度優先AE / ISO オート / WB:オート / 仕上がり:NATURAL]

ハイスピードイメージャーAFで快適なライブビュー撮影

E-30のライブビュー撮影は、撮像素子に写った像からコントラストを拾い出す「ハイスピードイメージャーAF」、通常のAFセンサーを使用して撮影する「全押しAF(異相差式AF)」、コントラスト検出でおおよそのピントを合わせてからAFセンサーに切り替える「ハイブリッドAF」の3種類が用意されている。

ライブビュー撮影の合焦速度は、コントラスト式AFでも異相差式AFでもあまり速くはない。それでも他メーカーのデジタル一眼レフカメラのライブビューに比べると明らかに速い。他メーカーのライブビュー撮影はブツ撮りや記念撮影など静止した被写体くらいしか使えないことが多いが、E-30のコントラスト検出AFならスナップ撮影などなら対応できそうだ。しかし難点は、対応するレンズが、ZUIKO DIGITAL レンズで5本、LEICA D レンズで3本の計8本と、少ないこと。E-30ではアスペクト比や多重露光などライビューで撮影したほうが有効な機能がたくさんある。これら機能を効率よく使うためにも、対応レンズを増やしてほしいところだ。

ライブビュー撮影時。AF速度は、通常のデジタル一眼レフカメラに比べると速い

対応レンズのみ使用可能な「ハイスピードイメージャーAF」、「全押しAF(異相差式AF)」、コントラスト検出と異相差式を組み合わせた「ハイブリッドAF」の3種類

撮影時に、ヒストグラム表示、拡大表示、比較表示、目盛表示(方眼や黄金分)、水準器など表示することができる

顔認識機能は、最大8人まで検出。再生時でも顔検出が可能になっている

撮影時にも拡大表示が可能で、拡大率は5倍、7倍、10倍

撮影時に4分割した画面で、露出補正やホワイトバランスの効果を比較しながら撮影することができる