チャート限界まで描写する解像力

解像力テストではE-30と同時期に開発され、キットレンズに採用されている「ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 II」を使用した。解像力は、1230万画素ということでチャート限界の2,000TV本まできちんシャープな描写でと解像した。そこで撮影距離を2倍(チャートの縦横方向で2倍、面積比で4倍のエリア)にして撮影してみたが、2,000TV本以上の解像力はないようだ。しかし、1230万画素でここまでシャープな画像が得られるのだから、十分でないだろうか。

ちなみに解像力テストは14-54mm F2.8-3.5 IIの開放値(F3.5)とF11で試したのだが、3.5のほうが若干シャープな描写になった。しかし絞り値で画質が極端に変わる印象はなく、周辺の流れや色にじみ、周辺光量落ちなどはほとんど発生しなかった。E-30と同時期に発売されたレンズなだけあって、E-30の性能を最大限に引き出すことができるレンズだ。E-30を持つのなら、ぜひとも一緒に持ちたいレンズだ。

チャートを撮影し、解像力を調べた。左は絞りF3.5(開放)、右はF11で撮影している。[14-54mm F2.8-3.5 II / L+F(JPEG) / 54mm(108mm相当) / 絞り優先AE / ISO 100 / WB:オート / 仕上がり:NATURAL]

撮影距離を2倍(チャートの縦横方向で2倍、面積比で4倍のエリア)にして撮影してみた。左はF3.5(開放)、右はF11で撮影している。1000TV本程度まで読みとることができた。[14-54mm F2.8-3.5 II / L+F(JPEG) / 54mm(108mm相当) / 絞り優先AE / ISO 100 / WB:オート / 仕上がり:NATURAL]

常用感度ならISO800まで

高感度時のノイズをチェックしてみた。初期状態では高感度時ノイズを抑える「高感度ノイズ低減」機能は「標準」に設定されている。この状態では、ISO 800あたりからざらつきはじめシャープさが失われるが、小さな画像ならほとんど気にならないだろう。ISO 1600はざらつきや像の緩さが目立ちはじめる。ISO 3200ではカラーノイズも目立ちはじめる。常用するならならISO 800までがお勧めだ。

高感度ノイズ低減は「OFF」「弱」「標準」「強」の4段階で設定できる。ISO 400までではほとんど効果や画質の変化は現れないが、それ以上では高感度ノイズ低減を強く効かすほど像が緩くなりシャープさが失われていく。「標準」でも効果が強く、若干緩い画像の印象を受けたので、シャープな画像が好みなら「弱」にしても良いだろう。

ノイズの発生は、E-3、E-420、E-520と比較しても同じような量で、格段に低ノイズになったという印象は受けなかった。E-3から1年以上経過しているので、ここはもう少し進化して欲しい気もする。

「ISOオート設定」では、上限感度と基準設定が設定でき、上限感度はISO 200-3200の間で1/3EVステップで設定できる。基準設定はISOオート設定時に通常使用する感度を200-3200の間で1EVステップで設定できる。上限感度だけでなく、基準感度が設定できるのは便利だと思う。

ISO感度はISO100から3200まで、オートではISO200から3200まで設定可能

ISOオート設定では、上限と基準感度を設定できる

高感度ノイズ低減は、OFF / 弱 / 標準 / 強の4種類から設定できる

以下、ISO感度と高感度ノイズ低減の設定を変えて撮影した。「高感度ノイズ低減」は、特に指定したほかは「標準」で撮影している。中央はISO 200、右はISO 400。[14-54mm F2.8-3.5 II / L+F(JPEG) / 4:3(4032×3024) / 35mm(70mm相当) / プログラム優先AE / WB:オート / 仕上がり:NATURAL]

左から、ISO 800、ISO 1600、ISO 3200

高感度ノイズ低減「OFF」で撮影。左から、ISO 800、ISO 1600、ISO 3200

高感度ノイズ低減「弱」で撮影。左から、ISO 800、ISO 1600、ISO 3200

高感度ノイズ低減「強」で撮影。左から、ISO 800、ISO 1600、ISO 3200