オリンパスからミドルクラスのデジタル一眼レフカメラ「E-30」が発売された。E-30はボディ単体のほか、E-30と同時に発売される「ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 II」を同梱したレンズキットも発売されている。価格はオープンだが、市場価格はボディ単体で約14万円、レンズキットは約18万8,000円のようだ(2009年1月15日現在、マイコミ価格情報の平均価格)。
従来ラインナップの中間に位置する重要なモデル
従来、オリンパスのデジタル一眼レフカメラのラインナップは、軽量小型モデルの「E-420」、手ブレ補正機能を搭載した「E-520」、強力な防塵防滴機能を搭載したプロ仕様の「E-3」の3台体制で展開されてきた。これらは他社のように機能で上下に位置づけられるのではなく、E-420とE-520は手ブレ補正機能の有無とボディサイズ以外は大きな違いはなく、両モデルとE-3との間には大きな差があった。その中間に位置するのが今回の「E-30」である。
E-30のライバルを考えてみると、キヤノン「EOS 50D」、ニコン「D90」、ペンタックス「K20D」、ソニー「α700」といったところだろうか。いずれも高機能かつ個性を備えた強力なカメラだ。E-30にも期待したいところ。
E-3を踏襲した外観。本体サイズは141.5(W)×107.5(H)×75(D)mm、質量約655g(本体のみ) |
液晶モニターは2軸式のフリーアングル。解像度は約23万ピクセル。サイズは2.7型。視野角は上下左右176度 |
フラッグシップ機「E-3」同等の性能
まずはE-30のアウトラインから見てみよう。有効画素数は1230万画素で、1010万画素のE-3より大きくなっている。画像処理エンジンは新開発の「TruePicIII+」を採用した。E-3同様のフリーアングル液晶モニターを採用。モニターの解像度は約23万ピクセルとE-3と同じだが、液晶サイズは2.5型から2.7型へと大きくなった。中級機では、液晶モニターの解像度は90万ドットを搭載しているモデルが増えつつあるが、E-30は23万ピクセルでも、とてもキレイに見える。液晶のきれいさは解像度だけでないことがわかる。
視野率はE-3の100%には及ばないものの、新開発のペンタプリズムにより、視野率約98%、倍率1.02倍と大きく見やすい光学ファインダーになっており、覗いてみるとE-520やE-420のような窮屈な感じはしなかった。
AFセンサーはE-3と同じく11点全点ツインクロスセンサーを採用し、E-3同等のAF速度、秒5コマの連写と、1/8000秒の高速シャッター、1/250秒のハイスピードシンクロなどを備える。ライブビューのオートフォーカスは撮像素子に写った像からピントを合わせる「イメージャーAF(コントラスト検出方式)」、ファインダー使用時と同じ「全押しAF(位相差式)」、シャッターボタン半押し時でコントラストAFである程度ピントを合わせ、全押しで異相差式でピントを合わせる「ハイブリッドAF」の3種類が用意されている。また、E-420同様に最大で8人まで同時に検出する顔認識機能も搭載している。
もちろん、ボディ内手ブレ補正機能、超音波によるダストリダクションシステム「SSWF」(スーパーソニックウェーブフィルター)も搭載。手ブレ補正機能は、最大で約4段分の効果があるという。手ブレ補正機能の初期設定はOFFの状態になっているので、購入したらすぐONにしたほうがいいだろう。ボディ内手ブレ補正なので、焦点距離を入力することで、フォーサーズ以外のレンズ(旧OM系など)でも手ブレ補正が使用できる。また、従来モデル同様に縦位置での流し撮りモードも装備している。
E-30の大きな特徴は、さまざまな特殊効果を楽しむことができる「アートフィルター」や9種類のアスペクト比、ライブビュー撮影時で撮影したデータを半透明画像で表示しながら次のコマの撮影ができる多重露出機能、あおり方向の傾き表示にも対応する「水平水準器」機能などが加わったことだろう。水準器はシャッターボタンを半押し後、しばらくするとファインダーとコントロールパネルの露出補正インジゲーターが水準器表示に変わる。新しい機能については、後ほど紹介したいと思う。
本体サイズは141.5(W)×107.5(H)×75(D)mm、質量約655gと、E-3よりも若干コンパクトになった。またE-3と共通の縦位置シャッターボタンのついたパワーバッテリーホルダー「HLD-4」(別売:2万3,500円)も使用できる。