初心者から愛好家までオススメしたい

D90は必要な機能をコンパクトなボディに詰めこんだバランスの良さが魅力的なカメラだ。筆者は手が小さく、撮影はスナップが多いのでD90くらいのボディサイズがちょうどいい。D700やD300のフィーリングの気持ちよさも魅力的だが、長時間持っているとだんだん疲れて撮影のリズムが悪くなってしまう。しかしD90なら大丈夫だ。D80同様に機動力が高く、オートフォーカス性能や、操作性のレスポンスなどが大幅に向上したし、高感度についても安心して使えるようになった。価格をみても、これだけの機能と性能の高さなら、とてもコストパフォーマンスが高いと思う。進化の早いデジタル一眼レフカメラでも長く使えるはずだ。

ミドルクラスのカメラといっても、操作は簡単でわかりやすいので、コンパクトユーザーから一眼レフにステップアップしようとする人にもお勧めしたい。初心者だからといってエントリー機から始めなくてはいけないということはない。D90はトータルバランスがとてもいい。この秋登場したミドルクラスではおすすめの1台だ。

柿表皮の質感は明るい部分から暗い部分まで、きちんと再現された。色づいた柿の橙色と空の色合いがうまく調和している
L+Fine(JPEG) / VR 70-200mm F2.8G / 200mm(350mm相当) / 絞り優先AE、補正-0.3EV(F5、1/640秒) / ISO 100相当) / WB:オート / PC:スタンダード]

スタンダードでも充分鮮やかに表現された。ホワイトバランス「オート」では青が強すぎたので、「晴天」で撮影した
DX 18-105mm F3.5-5.6G VR / L+Fine(JPEG) / 18mm(27mm相当) / 絞り優先AE(F5、1/1250秒) / ISO 200 / WB:晴天 / PC:スタンダード]

DX 18-105mm F3.5-5.6Gの最短撮影距離は45cm。もう少し近寄りたいと思った
DX 18-105mm F3.5-5.6G VR / L+Fine(JPEG) / 105mm(157mm相当) / 絞り優先AE、補正+0.7EV(F5.6、1/100秒) / ISO 200 / WB:オート / PC:スタンダード]

赤系の被写体を「スタンダード」で撮影すると人工色のような色になることがあった。「ニュートラル」のほうがよかったかもしれない
Micro-NIKKOR 60mm F2.8G ED / L+Fine(JPEG) / 60mm(90mm相当) / 絞り優先AE(F4.5、1/250秒) / ISO 400 / WB:晴天 / PC:スタンダード]

朝の光線を表現。マイナス補正で画面を暗くしつつ、黒がつぶれないようにアクティブD-ライティングをオートにして撮影した
DX 18-105mm F3.5-5.6G VR / L+Fine(JPEG) / 52mm(78mm相当) / 絞り優先AE、補正-1EV(F5、1/2500秒) / ISO 200 / WB:晴天 / PC:スタンダード]

光と影の陰影で木の枝を表現。背景の暗い部分もつぶれていないので、奥行き感が出ている
DX 18-105mm F3.5-5.6G VR / L+Fine(JPEG) / 105mm(157mm相当) / 絞り優先AE、補正-1EV(F5.6、1/60秒) / ISO 200 / WB:オート / PC:スタンダード]

秋を感じさせるススキ。曇りの日でも空気感を感じる画像になった
DX 18-105mm F3.5-5.6G VR / L+Fine(JPEG) / 105mm(157mm相当) / 絞り優先AE、補正+1.3EV(F5.6、1/500秒) / ISO 200 / WB:晴天 / PC:スタンダード]

曇天の式根島を「ビビッド」で撮影。コントラストが高く、岩肌の微妙な色合いや海の色が表現できた。ただし、悪天候のような特殊な場合以外、ビビッドは避けたほうがいい
DX 12-24mm F4G / L+Fine(JPEG) / 12mm(18mm相当) / 絞り優先AE(F9、1/250秒) / ISO 400 / WB:オート / PC:ビビッド]

水辺に来た鷺。羽毛の1本1本細かく再現されている。日差しはなく、白飛びが起きにくい状態だったのでアクティブD-ライティングは「弱め」で撮影
VR 70-200mm F2.8G / L+Fine(JPEG) / 190mm(285mm相当) / 絞り優先AE(F7.1、1/250秒) / ISO 200 / WB:晴天 / PC:スタンダード]

上と同じ場所だが、今度は晴れた。とても鮮やかな風景だった。しかし「スタンダード」ではコントラストが強い印象。微調整で弱めてもよかったかもしれない
DX 12-24mm F4G / L+Fine(JPEG) / 19mm(28.5mm相当) / 絞り優先AE(F9、1/640秒) / ISO 200 / WB:晴天 / PC:スタンダード]

逆光での撮影。朝で光が弱く、朝靄も残っていたので柔らかく表現できた
DX 18-105mm F3.5-5.6G VR / L+Fine(JPEG) / 18mm(27mm相当) / 絞り優先AE(F4.5、1/1000秒) / ISO 200 / WB:晴天 / PC:スタンダード]

日が傾きかけ、色温度が低くなってきた15時半すぎに撮影。東京タワーが見た目以上に朱色になった
DX VR 18-200mm F3.5-5.6G / L+Fine(JPEG) / 18mm(27mm相当) / 絞り優先AE(F10、1/320秒) / ISO 200 / WB:オート / PC:スタンダード]

夕日のなか、シルエットの風景を撮影。輝度差が高かったため、高輝度部分にパープルフリンジが発生した
DX VR 18-200mm F3.5-5.6G / L+Fine(JPEG) / 18mm(27mm相当) / 絞り優先AE(F8、1/3200秒) / ISO 200 / WB:オート / PC:スタンダード]

夕日の色が面白いくらいに色が乗った。シルエットは黒潰れせず、階調がちゃんと出ている
DX VR 18-200mm F3.5-5.6G / L+Fine(JPEG) / 200mm(350mm相当) / 絞り優先AE(F8、1/3200秒) / ISO 200 / WB:オート / PC:スタンダード]

テスト撮影 : 川上卓也(B Studio)
作例撮影・レポート:加藤真貴子(WINDY Co.)