11点でも充分なAF性能

オートフォーカス性能はどうだろうか。狙った場所に素早くピントが合うか合わないかで、撮影のテンションは大きく変わってくる。D90のAFポイントはD80と同様の11点。中央1点はクロスセンサーが使われている。

テストの結果を見ると、それほど速いわけではないが、確実にフォーカスを合わせてくれる。明るさやターゲットの違いでもほとんど差がないのがすごい。実際の撮影では、このテスト以上にフォーカスが速く感じた。思ったとおりに合わせてくれるのは気持ちいい。

被写体を追い続ける「AF-Cモード」(コンティニュアス)で前後に動くブランコを撮影してみたのだが、AFエリアモードを「オートエリア」にするより、中央AFポイントのみの「シングル」のほうがよく追従した。クロスセンサーを採用している中央が一番素早く合焦するようだ。「シングル」の状態の追従はとてもよく、大抵は被写体にピントがあっている。ただ被写体が近づいてくるときより、離れていくときの方が苦手なようだった。新たに追加された「3Dトラッキング」は、上位機の51点AFでは有効性を感じたが、D90のように11点だけでは、AFポイントがない端まで被写体が動いてしまうと難しいようだ。

ちなみにファインダーの視野角を実測したところ、約24.1度だった。D300には及ばないものの、D80よりひとまわり広く、じゅうぶん見やすい。

AFエリアモードには新たに「3Dトラッキング」が追加され、全部で4種類

AFエリアモードの表示の変化。ワイドフレームは中央のフォーカスポイントを広くする

ピントが合った時点でフォーカスをロックする「AF-S」と追い続ける「AF-C」

ファインダー像。AFポイントは11点、中央ポイントはクロスセンサーを採用

写真のような装置でオートフォーカスの速度を調べた
DX18-105mm F3.5-5.6G VR / L+Fine(JPEG) / 105mm(158mm相当) / マニュアル / ISO 200 / WB:オート / PC:スタンダード

左のテスト結果。飛び抜けて速いというわけではないが、ターゲットや明るさに関わらず、確実にピントを合わせてくれる。実際の撮影では、遅いとは感じず、とても快適

ブランコの撮影。AFエリアモード「シングル」が一番被写体の追従能力が高かった。「ダイナミック」や「オートエリア」では離れていく被写体を追い切れないことがあった
DX18-105mm F3.5-5.6G VR / L+Fine(JPEG) / 62mm(93mm相当) / プログラムAE / ISO オート / WB:オート / PC:スタンダード

無理のない解像力

解像力チャートをDX 18-105mm VRで撮影したが、だいたい1,700TV本まで解像しているようだ。これは、現在のレベルでは標準的というか、若干低いか。しかし限界までものすごく自然に像を作っている。妙な色やがさつきは見られない。これはとてもいいと思う。

もうひとつスゴイのは、絞り開放(F5.6)でもF11まで絞っても、ほとんど変わらないということ。開放では像が緩くなったりするカメラ(+レンズ)も多いが、少なくともD90とDX 18-105mm VRの組み合わせなら、妙な心配をせず撮影できそうだ。

DX18-55mm F3.5-5.6G VR、絞り開放(F5.6)で撮影

DX18-55mm F3.5-5.6G VR、絞りF11で撮影

DX18-105mm F3.5-5.6G VR、絞り開放(F5.6)で撮影

DX18-105mm F3.5-5.6G VR、絞りF11で撮影

DX VR 18-200mm F3.5-5.6G、絞り開放(F5.6)で撮影

DX VR 18-200mm F3.5-5.6G、絞りF11で撮影