宮田氏は、これまでとは、ちょっと毛色の違うプロシージャルアートの例も紹介した。

それが、画家Harold Cohen氏の作風を、コンピュータ上のプログラムとして実装した「コンピュータ画家アーロン(AARON)」だ。

Cohen氏自身は画家でありながらもコンピュータのプログラミング能力がある人物で、AARONの設計には自らが携わっている。Cohen氏特有の構図や色遣いなどをモデル化して実装しており、実行するたびに異なる絵画ができあがる仕組みとなっている。

AARONは開発元のKurzweil Cyber Art Technologies社のサイトに無償で公開されている(現在は公開が一時休止中)。

画家の作風をプログラム化して絵画をプロシージャル生成するという発想

単なる幾何模様画ではなく、花や人物などのキャラクターや、机や壁などの小道具/セットまでが登場するため、完成画はそれなりに説得力のあるものとなっているのが凄い。

こちらはプロシージャル技術と人工知能(AI)技術とが融合した技術ともいえ、コンピュータサイエンスの研究テーマとしても興味深い。

実際に筆者のPCで実行したときに出てきたAARONによる作例。実行のたびに異なる絵画が現れる