AFポイントの数より狭いファインダーが気になる
光学ファインダーはKiss X2よりも狭くなった。ファインダーの視野角を測定したところ、約20.3度だった。これはKiss X2の約22.0度よりもひとまわり狭い。ちなみにKiss Xは約19.3度だった。
Kiss FのAFポイントは十字型配列の7点。これはKiss Xの前の「EOS Kiss Digital N」と同じタイプだ。Kiss X2の菱形配置9点測距に比べて極端に使いづらいというわけではないが、やはり斜め方向に測距点があることでフレーミングの自由度は上がるはずだ。
またKiss X2はアイセンサーを装備し、ファインダーを覗くと自動でモニターが消灯するようになっていた。Kiss Fはこのアイセンサーが省略されたが、シャッター半押しで消灯するのでそれほど困らない。その代わりというわけではないだろうが、メニュー「機能設定1」の「液晶の自動消灯」が「液晶の消灯/点灯」になり、選択肢が「半押し連動」、「半押し/DISP.」、「消灯しない」に増えた。新しい「半押し/DISP.」では、半押しでモニターが消えてそのままになり、「DISP」ボタンで復帰する。
ライブビューはコントラスト検出で
Kiss Fは、Kiss X2同様にライブビュー機能を搭載する。オートフォーカスにコントラスト検出式(ライブモード)と位相差式(クイックモード)の両方を搭載するのもの同じだ。
よくわからないのが、ライブビューをKiss Fの特長のひとつに上げながら、標準ではオフになっていること。まずは「機能設定2」の「ライブビュー機能設定」→「ライブビュー撮影」を「する」に切り替える必要がある。すると「OK」ボタンでライブビューに切り替わる。しかし、ライブビュー中に再生やメニュー操作をするとライブビューに返ってこないので、その都度「OK」ボタンでライブビューに戻さなければならない。また、「ポートレート」や「風景」などの「かんたん撮影ゾーン」ではライブビューが使えないというのはどうだろうか? 上級機ならまだしも、これはKiss Fなのだから。
ライブビューにするとモニターにレンズを通した映像が表示され、四角いAFフレームが表示される。コントラスト検出ならばこのAFフレームに対してピント合わせを行なう仕組み。十字キーでAFフレームは上下左右に自由に動かすことができる。
ピント合わせはシャッターボタンでなく、「*」ボタンを使用する。コントラスト検出には少々時間がかかる。ざっくりしたところは速いが、その後の微調整で悩むようだ。また、拡大ボタンを押すと、AFフレームを中心に5倍→10倍と拡大される。この状態でもピント合わせは可能だ。さらに拡大ボタンを押せば、全体表示に戻ってくる。
ライブビューでの位相差式AFは少々使いづらい。理由のひとつはAFポイントが選べなくなること。ライブビューにする前にAFポイントを選んでおかなければならないが、これはどうかと思う。普通はフレームを見てからピント位置を決めないだろうか。AFポイントを自動選択にしておけばいいのかもしれないが、個人的にはピントの場所をカメラまかせにするというのは、どうも馴染めない。
また、位相差式でもAFフレームが表示されるのだが、位相差式ではAFポイントにピントが合うから、AFフレームはただの拡大枠でしかない。何のために枠が表示されるのだろうか? また、位相差式でピントを合わせている最中は、モニターがブラックアウトする。ミラーを下ろしてピントを合わせているのだから仕方がないが、やはり心臓に悪い。ライブビューを使うなら、コントラスト検出がお勧めだ。