ノルウェーの観光シーズンは通年だが、ガイランゲルフィヨルドは5月頃~9月までで、ベストシーズンは6月~8月頃といわれている。9月には交通機関の便数が減り始め、10月になると、ガイランゲルフィヨルドやハダンゲルフィヨルドなどの交通機関はなくなり始めるという。もし旅行で訪れる際は事前にウェブサイトなどを通じて確認をしてほしい。

フィヨルドツアーだが、現地のツアー会社、フィヨルド・ツアーズがベルゲン・オスロなど各都市からの周遊券を発行している。列車はバス、フィヨルド観光船(フッティルーテン)などがパックになっていてお得だ。購入はオスロ、ベルゲンなどの観光案内所や鉄道窓口で可能だ。

そういったツアーももちろん利用したいけれど、やっぱり自分自身で2、3フィヨルドを巡る"ツアー"を満喫したい! という方には、私が今回訪れたルートをもとに周り方をアドバイスしよう。

フィヨルド地方へのアクセスは首都オスロよりベルゲンからがオススメだ。1ページの地図をみればわかるように、オスロとフィヨルド地方ではかなり離れている。ベルゲンをやはりフィヨルドのゲートウェイとして利用したい。お勧めなのは、ベルゲンからガイランゲルフィヨルドを鑑賞、その後ブリクスダール氷河、ソグネフィヨルド&ネーロイフィヨルド(グトヴァンゲン ‐ フロム間の移動)をして、フロムからベルゲン急行を利用し、オスロへ進むというコース。当然1日では無理なので、2泊3日以上はみて行動しよう。

またフィヨルドの楽しみ方は、ビューポイントで上から絶壁を見下ろすのもよし、フェリーや観光船、大型客船(フッティルーテン)を利用して、近くでフィヨルドの迫力を感じるのもよい。できれば何通りの楽しみ方を味わってみてほしい。

港からでは船全部が収まらない大型客船のフッティルーテン

船内とは思えないレストランが楽しめる

フッティルーテンから見た朝日(左)と夕日(右)。目の当たりにすると感動は計り知れない

そしてフライトだが、私は往路はベルゲン着、復路はオスロ発をオススメしたい。往路・復路ともに逆でもいいが、お土産に"北欧雑貨"を買いたいのならやはり首都・オスロのほうが気の利いたお店があるので、行きに荷物が多くなるのを防ごうと思うとベルゲンからスタートすべきだ。ベルゲンは比較的治安もよく、落ち着いた都市なので、ノルウェー到着後にすぐスリの被害に遭ってしまうという危険が少ないように思う。ベルゲンの中心部である世界遺産指定のブリッゲン地区を散策しながら旅の疲れを癒し、フィヨルドへ繰り出すのも悪くないだろう。

オスロ市内。市バス、トラム(路面電車)のほか、地下鉄もありかなり交通機関は充実している

オスロ市の郊外にあるフログネル公園でピクニックや日光浴をする人々

ベルゲンの中心地、ブリッゲンの街並み。ブリッゲン地区は世界遺産にも登録されている

ベルゲン上空からみた眺め。港町を象徴している

さらに、スカンジナビア航空(SAS)は7月12日~8月9日の夏季限定で、ベルゲン ‐ 成田間の直行便を運航する。これまでベルゲンまではコペンハーゲン(デンマーク)で乗り継ぐか、オスロから国内線もしくはベルゲン急行に乗ってベルゲンまでという選択肢で、所要時間は15時間以上となっていた。とくに列車の場合は7時間弱もかかるので、列車に乗るのが大好きという人以外、長時間の乗車は疲労につながるだろう。だが、この直行便を利用すれば、なんと成田 ‐ ベルゲン間が約10時間15分。移動時間が5時間以上も短縮できるのでぜひ利用してほしい。ただ、本数に限りがあるため、詳細はSASのウェブサイトでチェックしよう。

最後に服装のアドバイスだが、ノルウェーの5月の気温はオスロ平均で最高16℃、最低6℃とまだ肌寒く、8月でも最高21℃、最低12℃と涼しい気候だ。また気温に関係なく、フィヨルドや氷河付近は冷えるため、体感温度が下がる。脱ぎ着しやすい防寒着、帽子を持っていったほうがいいだろう。氷河付近へ行く際は転んだりしないよう、スニーカー、リュック(転んだ時に手がだせるよう)がオススメだ。

さて、フィヨルドと氷河のかなり細かく紹介したが、いかがだっただろうか。ぜひノルウェーの大自然の壮大さと新鮮な空気を体感してほしい。