続いて、hiroさんにお話をうかがった。

――今日、お持ちになったものは、何でしょう?

「円谷プロ制作のテレビドラマ『マイティジャック』に登場する万能戦艦マイティ号と小沢さとる先生の漫画『サブマリン707』に登場する単座式小型潜航艇ジュニア一世です」

マイティ号

ジュニア一世

――それぞれ、劇中では、どのような設定になっているんでしょう?

「マイティ号は万能戦艦ということで、空も飛べることになっています。海中から海面へ浮上し、空へと発進するシーンが出てきます」

――もう1つは……。

「ジュニア一世は『サブマリン707』の主役潜水艦707から発進する搭載艦です。707から水中発進・水中回収されます」

――それぞれ、ベースになったものがあるんですか?

「マイティ号のほうはイマイから発売されたプラモデルをベースにしています。ジュニア一世のほうは、プラモデルは売っているんですけれども小さすぎて使えないので、自作しました」

――材質は、何ですか?

「サーフボードなどと同じFRPです。木で元の形を作ってシリコンで型取りをして、そこにFRPを塗って作りました」

――推力は、どのようにして得ているのでしょう?

「マイティ号はポンプで水流を発生して、機体尾部のノズルから噴き出して進みます。ジュニア一世は劇中のとおり、プロペラを回転させています」

ジュニア一世。船首のプロペラを回転させて進む

――いずれも劇中では大活躍するわけですが、実際にお作りになってみていかがですか?

「ジュニア一世は非常に運動性がいいですね。マイティ号のほうは、旋回するときに外側に傾く癖があります」

――カーブを曲がるときの電車みたいですね(笑)。

「それで、主翼後部のエルロンの仕掛けを追加して、例えば右旋回するときに左翼が上がるようにしました。したがって、うまくすれば左翼の下がり癖が収まるハズなんですが、今回はそれを試しにきました」

――デザインは、マイティ号のほうが成田亨さん、ジュニア一世のほうが小沢さとるさんなわけですが、実際に作ってくらべてみると、運動性の点では小沢デザインのほうに軍配が上がるわけですね(笑)。

「まあ、たまたま自分の作った機体の場合は、ですけど(笑)」

――架空の物語に登場する機体にも関わらず、実際に作ってみてもちゃんと動くと……。

「わたしも最初はどうかな? というのもあったんですが、今になってみると一番気に入ってる機体ですね」

動画
ジュニア一世。船首のプロペラを回転させて進む様子がよく分かる。この運動性!
こちらは、漫画を原作とする作品『マジンガーZ』のホバーパイルダー。BDで通勤さんの作品