お次は、J.AMANOさんにお話をうかがった。

J.AMANOさんとサンダーバード4号

――こちらは、サンダーバード4号ですね。なぜ、これをおやりになったのでしょう?

「ドリームマシン★フェスティバルという企画の第1弾が、『サンダーバード4号をラジコン潜水艦に改造しよう』で、それに参加したんです」

――そのドリームマシン★フェスティバルとは、どのようなものですか?

「子ども時代に夢見た『あのマシンを、自由自在に操縦したい!』という願いをかなえるため、全国の初心者サブマリナーからスーパー・サブマリナーまでが、それぞれのアイデアと工夫で、夢のマシンを実現させる祭典のことです」

――ガワは、タイトーのプライズ品スーパーメカニクス・サンダーバード4号、すなわち、ディスプレイモデルですね。すると、この中に仕込むメカを作られたわけですか?

「そうですね」

――推進力は、どのようにして発生させているんでしょう?

「ウォータージェット推進という方式を用いています」

――内部がどうなっているか、説明していただけますか?

「まず、電動モーターが1個あり、そのモーターが機体の左右両側にあるポンプの羽根車を回します。それによって発生したジェット水流が機体後部の左右にあるノズルから噴出されることで推進力を得ます」

サイズは27cm。縮尺およそ1/36。これが製作された時点での最大級のモデルだそうだ

サンダーバード4号の内部。左手前に見えるのが、電動モーター。その両側に見える白い巻き貝のような形のものがジェット水流を生み出すポンプだ

――劇中の設定と同様、取水口から水を取り入れて、それをノズルから噴射して進むわけですね1つのモーターから、左右に回転力を伝える仕掛けは、どのようなものですか?

「ミニ四駆の部品を流用しています」

――左右のポンプは、何でできていますか?

「いわゆるプラ板を切り貼りして自作しました」

――機体の方向は、どのようにして変えるんでしょう?

「外からはよく見えませんが、左右のノズルの内側に、それぞれジェット水流を偏向させる水流制御のための仕掛けがあり、それを左右それぞれ1つずつのサーボモーターで動かすことによって水流の方向が変わり、機体の進行方向が変わります」

――それは、どのような原理を応用しているんでしょう?

「尾翼がV字になっている飛行機で、機体の進行方向を変える原理です。左右の尾翼の後部の向きを変えることで進行方向を上下・左右に変えるのと同じ仕組みです」

――お作りになるうえでご苦労なさった点は、どこですか?

「最初はなぜか潜り癖があって、なかなか上がってこなくて、それを直す必要がありましたね。あとは、今より大きなバッテリーを積むつもりだったんですが、それだと重くて沈んじゃうんで、サイズを小さいものに変えたらうまく動くようになりました」

水中を行くサンダーバード4号。ドラマでは水中にいるように撮影しているだけだが、こちらは本当に水中を自走している

――劇中では4号は、当然大活躍するわけですが、ホントに潜水艦として作ってもちゃんと動く機体だったわけですね。

「はい(笑)」

動画
こちらは、『サンダーバード』と同じイギリスITC作品『謎の円盤UFO』に登場するスカイダイバー。その前部には、スカイ1と呼ばれるジェット機が装備されている。深く静かに潜航。SOBUさんの作品