――そしてヤマトは、バンダイさんの……。
「ええ。1/350 宇宙戦艦ヤマトですね。エンタープライズとスケールが同じなので、サイズを比較してみるのもおもしろいかな、と思って作ってみました」
――エンタープライズとヴォイジャーはディスプレイ用のインジェクションキットですから内部は空洞ですが、ヤマトはギミックが入ってましたよね。主砲の砲塔が動いたり……。
「ですから、中のギミックは全部はずしました(笑)。ガワだけしか使っていません。ホントはギミックも活かしたかったんですが、水の中に入れますから錆びとか防水の問題があって、自分で作り直したほうが早いと」
――いくつかお作りになっていく中で、ノウハウが蓄積したりするんでしょうね。
「実は1/350 宇宙戦艦ヤマトの前に1/500 宇宙戦艦ヤマトというのを作ったんですが、それはエンタープライズを作るための実験機として作ったんです」
――と、おっしゃいますと……。
「ノズルの方向を上下・左右に動かす方式、すなわち、3次元ノズルを使ってちゃんと動くかどうか、それが確認できたので同じ仕組みでエンタープライズを作ったんです」
――この3機の中で、一番思い入れがあるのはどれですか?
「やっぱりエンタープライズですね。学生のときに『スター・トレック』の映画を観たんですよ」
――79年公開の映画第1作ですね。
「そのときに、SFってこんなに美しくきれいなのか、そのリアリティっていうのがすごく印象に残って、すごい感動したんですよ。それで自分自身も映像に関わる仕事に就いたりとか。エンタープライズは人生を変えた船なのかなと」
――映画の中で地球衛星軌道上のドックから、エンタープライズがスラスターを噴かしてゆっくりと発進していくシーンがありますよね。
「ライトアップして、船体を照らして。実はあれをやりたくて、もう1隻作ろうかなと(笑)。いや、今までのノウハウを結集した決定版が作りたいんですよね」