車内で本日のガイド役を務める東京都港湾局・海上公園課長の櫻井國男さんが「元気に楽しんでください」と挨拶。コースの説明を受けているとなんだか、小学生に戻って遠足に来たかのようにワクワクする。車内もすでに和気あいあいとしたムード。櫻井さんのお話を聞いているうちに、バスは最初の目的地である若洲海浜公園へ到着した。
今でも地盤沈下が続くゴルフ場
新木場の先、15号埋立地の南端に広がる若洲海浜公園。三方を海に囲まれ、緑の丘が連なるゴルフ場を中心に、ヨット訓練所、海釣りが楽しめる人工磯などがある。さっそく若洲ゴルフリンクスのクラブハウス屋上に上がり、公園を眺める。
色鮮やかなグリーンの先に東京港が広がり、船が浮かぶ。緑の丘の彼方では、巨大な風力発電の風車が羽根を休めている。こんな風景が東京にあったのかと、思わずビックリするほど不思議な眺めである。
ゴルフ場は54ha、6,881ヤード、パー72の18ホール。岡本綾子プロも監修に携わった本格コースだ。平日のプレイなら、キャディ付きだと1万5,000円でお釣りがくるそうだ。若洲ゴルフリンクスの高橋さんによれば、もともと昭和40年代に家庭用生ゴミなどの廃棄物を埋立てた場所で、新宿新都庁舎の建設に伴う残土で造成されている。そのため現在でも年間数センチずつ沈下しており、1m以上沈下した箇所もあるという。クラブハウス前では、沈下防止のための発泡スチロールを地中に埋める工事も行なわれていた。維持管理には埋立地ゆえの苦労も絶えない。ちなみに、クラブハウスは地下深い岩盤まで鉄骨が通っており、沈下の心配はないそうだ。