高性能が目につかない完成度の高さ
EOS 40Dはよくできている。新機能の操作性の部分で若干気になるところはあるが、それ以外ほとんど気になるところはない。性能の高さと相まって、どんなところでも確実に撮影できるはずだ。画素数が増えたことでノイズの増加なども懸念したが、うまく抑え込んでいる。それでいて安い。秒6.5コマの連写や高いオートフォーカス性能は、スポーツ撮影でも普通にこなしてしまう。それでいて16万円弱なのだから、とても買い得なカメラだと思う。
これらを含め、EOS 40Dの完成度の高さはちょっとすごい。尖ったところがないというか、非常に高いところでバランスが取れている。逆にいえば特長を感じづらいカメラでもある。もちろん高性能なオートフォーカスなどは立派な特長だが、EOS 40Dを使っていると、それがごく普通に思えてくるから不思議だ。ピクチャースタイルもライブビューも便利なのだが、EOS 40Dは個々について何も主張しない。淡々と仕事をこなしていく。
ある意味、EOS 40Dは"透明なカメラ"になろうとしているのかもしれない。極端に考えると、撮影シーンとそれを写し取った画像があればカメラは要らないことになる。少なくとも民生品であれば、技術が目立つ機械はまだ完成度が低いのかもしれない。EOS 40Dはそんなレベルに届こうとしている。
逆光のヒマワリ。ハレーションが出ているが、イヤミではない |
和服に自転車。とっさの撮影には、EOS 40Dの速いフォーカスが強い味方になる |
EOS 40Dに限らないが、空を広く入れると露出が下がりすぎる傾向がある。これでも+1段の補正をしているのだが…… |
公園の林。樹木の影はつぶれぎみだが、かえって墨絵のようないい雰囲気に |
クーラーの室外機の前でがんばる草花。これもレベルを少し切り詰めるともっと良くなる |
下町、夏の終わり |
犬は自分の職務をよくわきまえていて、さんざん吠ええられてしまった |
モノクロモードではなく、ごく普通に撮影。水たまりに映る太陽 |
雨上がり。花からの雫を狙った |
夕焼けがきれいだったので、窓からそのまま手持ちで撮影 |
テスト撮影:川上卓也(Mediart)
作例撮影 :加藤真貴子(WINDY Co.)
レポート :西尾 淳(WINDY Co.)