では性能面を見ていこう。まず、オートフォーカスはすばらしく快適だ。同時にテストしたわけではないので断言するのも何だが、以前テストしたEOS-1D Mark IIIよりもEOS 40Dのほうが良い成績だった。EV5の明るさでMark IIIが平均0.7秒だったのに対し、EOS 40Dは平均0.6秒、EV1の明るさではMark IIIが平均1.6秒、EOS 40Dは平均1.3秒となった。どちらもEOS 40Dが上まわっている。このAF性能だけのためにEOS 40Dを買っても後悔はしないはずだ。
ただ、すべてのカメラが苦手とする斜線のターゲットでは、EOS 40Dもピントが合わないことがあったが、Mark IIIはちゃんと合焦した。また、このテストは中央のAFポイント1点のみを使ったものなので、動く被写体などでは19点+アシスト26点のAFポイントが威力を発揮するはずだ。このあたり、Mark IIIの名誉のために書き加えておく。
EOS 40Dの試用中、サーキット取材の機会があった。レース撮影の経験はほとんどないが、それでもけっこうな確率でヒットしてくれた。EOS 40Dは"ちょっと練習すれば、もしかしてイケるかもしれない"と、思わせてくれるだけの性能をもっている。
オートフォーカスのチャート。写真のようなターゲットを用意し、レリーズから撮影までの時間を読み取った。撮影距離は約104cm |
ツインリンクもてぎで試撮。おそるおそる1 |
90度コーナーの進入。これぐらい撮れると気持ちいい |
S字カーブのふたつめ。別件取材中だったため、スモールサイズで撮影している |
遠目だと300mmでもちょっと届かない |
ノイズ低減機能を使えばISO 1600も常用できる
EOS 40Dの撮像感度は最高でIS 3200まで。相変わらずノイズは少ない。撮像素子のツブが大きなEOS-1D Mark IIIと比べると、見た目で半段分ほどノイズの発生は多いようだが、このクラスとしてはトップレベルのノイズの少なさだ。ISO 800まではノイズらしいノイズを見ることはないだろう。ISO 1600まで上げると赤や青の色ノイズが見えてくる。ISO 3200では、色ノイズがさらに強くなり、ざらつきも出るといった具合だ。
しかしMark III系に続き、EOS 40Dにも「高感度撮影時のノイズ低減」機能が搭載されている。カスタム機能C.Fn2-IIで設定するが、バッテリー消費が早くなるとのことで、標準ではオフになっている。これを使用すると、気になった色ノイズがキレイに消えてくれるのだ。さすがにISO 3200でのざらつき感は残るが、ISO 1600なら常用してもいいほどの低ノイズ。電源に余裕があるならぜひオンにして使いたい。ちなみにライブビュー時は、この機能は使用できなくなる。