大型モニターでボタンは下へ
EOS 40Dの重さは740g(本体のみ)。Kissクラスに慣れているとずしりとくるが、このクラスでは標準的。すぐに慣れる。このあたり、長く一眼レフを作ってきた強みだろう。すでにキヤノンなりの黄金比を見つけているようだ。
ボディ外装はマグネシウム合金製。しっかりした手応えをもつ。EOS-1D/1Dsほどではないが、CFカードスロットカバーや電池室ふたなどにシーリングを施すことで防滴性能も向上させている。このボディの感触に比べてシャッター音は少々安っぽいと感じた。"バシャコン、バシャコン"という感じ。連写だと"バシャバシャバシャ"となる。個人的には、もっと軽くシャッターが動いている感じの音が好みだ。
ファンダーはこのクラスとしては非常に見やすいとしていいだろう。ファインダー内にISO感度も表示されるようになった。ファンダー倍率はEOS 30Dの0.9倍から0.95倍になったが、CMOSサイズがわずかに小さくなったため、広さとしては微増レベル。ファインダーの広さ実測したところ、EOS 30Dは23.4度だったのに対し、EOS 40Dは23.74度だった(いずれも対角)。これは見やすいと定評だったD200/D80とほぼ同じレベル。これ以上広く、見やすくするためには、EOS 5Dのように撮像素子のサイズを大きくするしかないのではないか。
ピクチャースタイルが独立したボタンに
操作系は、右肩に液晶の表示パネルをもち、左肩にモードダイヤルという不変の構成。背面にはマルチセレクター(十字キー)と大型のサブ電子ダイヤルを装備。背面左の液晶モニターは、EOS 40Dでは大型の3.0型となった。モニターの大型化で割を食ったのは、従来左側に縦に並べられていたデジタル系の操作ボタン。モニター下に移動させられた。左側に並んでいたほうが使いやすいが、大きなモニターと左側ボタンのどちらを取るかといわれれば、やはり大型モニターを選ぶだろう。気になったのは[INFO]ボタンが右寄りに位置していること。筆者のように背面のモニターを多用する使い方だと、この[INFO]ボタンを絶えず操作することになる。特に三脚を使う場合は、これが少々操作しづらい。
メニューボタンから呼び出すメニューと、ダイレクトに機能を受けもつボタンとは、基本的に機能が分けられている。例外は「ピクチャースタイル」と「ホワイトバランス」で、この2つはボタンとメニューの両方から操作できる。そう、ピクチャースタイルがボタンに割り振られたのだ。色設定系の機能が専用ボタンを持った例は今までほとんどない。これは高く評価したい。ちなみに、直接ボタンに割り振られたその他の機能(設定)は、測光モード、AFモード、ドライブモード、ISO感度設定、ストロボ調光設定といった従来どおりのもの。それ以外はメニューから呼び出すことになる。
メニュー表示はかつての長いリストではなく、タブ形式。電子ダイヤルで横方向を操作し、サブ電子ダイヤルで縦を選ぶ。マルチセレクターでも操作できる。Mark III系も同様だが、「カスタム機能(C.Fn)」が4つのグループに分けられていることが気になった。使う度にどのグループなのかを考えなければならない。全部で21個しかないのだから、ひとつのメニューでよかったのではないか。