バーやレストランによく行く人は、バーテンダーやソムリエがテイスティング中に空気を吸い込んだり、鼻から空気を抜いている光景を目にしたことがあるかもしれない。これには香りをしっかりと捉える、という目的がある。自分でテイスティングする際にもこういった"技"をぜひとも取り入れてみたいものだ。

プロのテイスティング法を観察するのも勉強になる

しかし同時に何種類ものシャンパンをテイスティングしていると、味覚や嗅覚が鈍り、特徴を把握しにくくなってくる。そのため、水を飲んだり、嗅覚を取り戻すために鼻腔内を綿棒で拭うなどをして、感覚をリセットすることも覚えておこう。

最後は表現法について。テイスティングをしておいしいシャンパンを見つけたとしても、その特徴を言葉にしなくては人に伝えることはできない。ここからはシャンパンの味を表現するにあたっての例をいくつか挙げていく。

シャンパンの一番の特徴は、シャンパーニュ地方特有の石灰岩質土壌からくるミネラル香だ。他にわかりやすい香りとしてはハーブであったり、レモンやグレープフルーツといった酸味の強い柑橘類、リンゴ、洋梨、さらには蜂蜜、白や黄色の花(小さな花)が挙げられる。ロゼではラズベリーやチェリーといった赤い果実、バラといった香りを感じることもある。

また、シャンパンの製造工程にはMLF(マロラクティック発酵)というブドウ由来のリンゴ酸を乳酸に変化させる発酵行程があり、この行程を行うとバター、アーモンド、パンといったトースト香が顕著になってくる。感想を述べる際には、こういった単語を盛り込んでいくとよいだろう。