シャンパンはデゴルジュマンの際に加えるリキュールの量によって、下の表のように種類分けされている。飲食店でグラスシャンパンとして出されているものの多くはブリュット。無添加のシャンパンはウルトラ・ブリュット、もしくはブリュット・ゼロ、ブリュット・ナチュールなどと呼ばれる。これらのタイプは、良質なブドウなしにはつくることができないとされており、また高度な技術も要求されることから特にシャンパン愛好家の中では熱烈な支持を集めている。

1Lあたりの含有糖度 名称
無添加 ウルトラ・ブリュット
0~6g エクストラ・ブリュット
~15g ブリュット
12~20g エクストラ・セック
17~35g セック
33~50g ドゥミ・セック
50g~ ドゥ

しかし、「甘口は通向けではない」というわけではない。メインディッシュの後に飲むのであれば、甘めのドゥミ・セックを選ぶソムリエもいる。料理との相性もあるので、辛口しか飲まないというのではシャンパンの個性を見逃してしまうことになる。

フランス以外の国々に目を向けると、スパークリングワインは様々な呼び名で親しまれている。スペインではカヴァ、イタリアではスプマンテ、ドイツではゼクト、といった具合。ところが日本ではスペイン、イタリア、ドイツからの輸入量を合計しても、フランスからのスパークリングワインの輸入量には及ばない(「貿易統計 2005年」財務省)。この結果を見ても、日本人がいかにシャンパン好きな国民であるか、ということがわかるだろう。

しかし本場、フランスにはやはりかなわない。日本のシャンパン輸入量は、フランス国内における流通量の半分にも満たない状態で、世界各国のシャンパン輸入量をランキングすると、日本は第6位となっている(「2006年末シャンパン出荷量累計」C.I.V.C.日本事務局)。

以前、東京を中心にフレンチレストランを展開するオザミワールド代表・丸山宏人氏にシャンパンについてインタビューしたところ、こんな興味深い話が出てきた。「はじめにシャンパンを1本注文し、メインだけ別にグラス・ワインをオーダー。デザートに合わせてまたシャンパンを飲むといいですね」。そんな遊び心のあるディナーの楽しみ方を教えてくれた(「次に流行る! 編集部の気になる商品とお店 ジャクソン社『キュベ728』」フードリンクニュース、2003年12月13日号)。

一昔前は、「シャンパンというと食前酒」という認識があったが、このようなコメントを耳にすると、シャンパンには"食前酒"というジャンルだけに収まりきらない魅力があるのではないだろうかという気がしてくる。糖度だけで種類分けしても前述のようにタイプが分かれている。様々なシャンパンのテイスティングをし、その違いを感じていきたいものだ。