日本国内で、シャンパンの人気がじわじわと拡大中であることをご存知だろうか。フランスからの輸入量を見ると、昨年は10年前の3倍以上となっており、着実に市場が拡大していることがわかる(「日本市場向けシャンパーニュ輸入量の変遷」シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会(C.I.V.C.)日本事務局)。フレンチレストランはもちろんのこと、最近では寿司店や中華料理店にも置かれるようになり、一般家庭での消費量も増加傾向にあるようだ。

ここからは、シャンパンの種類や製造方法について簡単に解説しつつ、注目のシャンパンバーや家庭でシャンパンを楽しむためのポイントなどを説明していく。

シャンパンはスパークリングワインの1種で、フランスの北東部シャンパーニュ地方でつくられたものを指す。ちなみに、フランス国内の他地方でつくられるスパークリングワインは「ヴァン・ムスー」と呼ばれる。

シャンパンの原料となるブドウは、シャルドネやピノ・ノワール、そしてピノ・ムニエの3品種。ブドウをブレンドする時の割合がシャンパンの味わいを決定づけると言えるので、つくり手はこの行程にとても気を遣っている。ちなみにラベルに「Blanc de Blancs」(ブラン ド ブラン)と書かれている場合は、シャルドネ100%である。

シャンパンの製造工程は、収穫したブドウの果汁を搾り、発酵させるところから始まる。ここまでは白ワインの醸造と変わらない。次にリキュールや酵母を加えて瓶詰めをする。瓶内発酵が始まると、シャンパン特有の繊細な泡(ガス)が液体に溶け込んでいく。

瓶詰め後、1年以上(3年程度の場合が多い)熟成させてから「デゴルジュマン」と呼ばれる澱抜きの作業を行う。ほとんどのシャンパンはここで甘いリキュールを加え、完成させる。