ここまで読んでも、自分が住んでいる住宅が、実際は地デジが映るのか映らないのかわからない、という人が多いのではないだろうか。実際のところ、これはまず映らないだろう、というケースは明らかに指摘できるが、試してみないとわからないというケースも多い。

山間部では、5C-2Vを100m引いて、それでちゃんと地デジが受信できているというケースもある。場所によって、求められる条件は異なってくるということになるだろう。デジタル放送の信号を測定する「デジタルレベルチェッカー」という製品も存在しているが、これは、20万円以上する高価な機器(双方向タイプの場合)で、とても、一般のユーザーが自宅の受信環境を測定するために購入するという製品ではない。

では、どうすればよいのかというと、一番よいのは受信機を購入してしまうことだ。とはいっても、いきなり50V型のプラズマフルハイビジョンテレビなどを購入してくる必要はない。現在、外付けの低価格な地上デジタル放送のチューナーが何機種か販売されている。これらは、EPGの有無、BS/CSデジタルへの対応、データ放送への対応など、機種によって機能も違うが、もっとも低価格なモデルならば、2万円以下で購入することが可能だ。

この外付けのチューナーを使って、実際に地上デジタル放送を受信してみて、それで映るのならOK。映らないのなら、受信設備の改修を考えるというのでよいのではないだろうか。外付けチューナーは、そのまま使用してもかまわないし、2台目、3台目のテレビ用として、有効活用することも可能だ。

さて、受信設備の改修が必要な場合には、どのようにするのがよいだろうか? 集合住宅の場合、それは個人で行うことはまず不可能だ。まず、分譲の場合、配線が共用部分を通っているため、改修には管理組合の承認が必要になる。これは1戸だけでできる話ではなく、その集合住宅全体で行うという話になる。状況によって異なるが、1戸あたり10万円程度の費用がかかるものと考えておけば、それほどずれてはいないだろう(CATVの施設を入れる場合には、その1.5倍程度のコストがかかる)。

管理費とは別に支払っている修繕積立金などからその費用が当てられるケースが多いようだ。賃貸物件では、その物件のオーナーの判断次第ということになる。ただし、最近では、物件の付加価値として、デジタル放送の受信が可能なように改修が進んでいるケースは多い。いずれにせよ、管理会社に問い合わせて見るしかないだろう。

戸建て住宅の場合は、単に工事を行えばOKだ。ただ、戸建ての住宅の場合でも、アンテナ、ましてや屋内配線の工事を自分で行うという人は少ない。ほとんどが、それなりの業者に依頼することになる。それが、どのくらいの規模の工事になるのかは、現場によって異なる。ただ、日常的に、家電店や工務店などと付き合いのある人を除けば、これらのスキルを持っている業者を探して依頼するというのは、なかなか難しいというのが実情だろう。