修復プロジェクト発表会での発表内容
発表会はMANOI企画の岡本氏の司会で進行。まず、日本児童文化研究所の現理事長・大森順方氏、神奈川工科大学学長の小宮一三氏があいさつをした。
大森理事長は「ロボット技術は飛躍的に進歩しているが、その原点と言えるのが相澤ロボット。スタイリッシュな最近のロボットしか知らない子供たちには、古いものも丁寧に手入れすれば再生できることを知ってほしい。今後積極的に出展するさまざまなイベントを通じて、相澤ロボットに対する"思いの輪"がさらに広がっていってほしい」と述べた。
小宮学長は「最近のロボットは認識技術なども発達し、より人間に近くなったが、相澤ロボットはその原型。なんとも言えない懐かしさ、"ロマン"を感じる。ロボットとは当時どういう存在だったのか。人間の友達として一緒に遊んだりするもの、目や手があって動く、それが最初の発想の原型だったのではないか。学生たちは初期のロボットの考え方に触れ、原型がどこにあったか考えることになる。それは今日の技術に繋がる」と述べた。
続いて、今回のプロジェクトを提案したエンターテイメントボウルの小松要仁氏が修復プロジェクトの概要を説明した。そもそもの事の起こりは、小松氏がホンダ「ASIMO」実演などのロボットイベント企画を手がける中で相澤ロボットの存在を知り、「大阪万博にも出展された歴史あるロボットをぜひ皆さんに見てもらいたい」と思ったことだったという。そこで財団にコンタクトし、子供のころに見たような動く状態への修復プロジェクトを提案。イベントを通じて親交のあった、神奈川工科大非常勤講師のMANOI企画岡本氏、テクノロードの浅野氏にも相談し、修復プロジェクトが実現することになったという。
小松氏は「今の子供たちに相澤ロボットを見てもらうことで、僕らが子供のころにロボットをどう思っていたのか知って欲しい。ロボットと人間との違い、なぜ?という疑問から、科学についての関心・興味を深めてもらえれば」と語った。
次にテクノロードの浅野氏が各ロボットの現状と修復作業について説明。最後に「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」を主催するチューリップテレビ企画室の高木一英氏(注)も、PRキャラバン隊のロボット宣伝隊長「MANOI PF-01」の秘書長として、富山で開発されたアザラシ型セラピーロボット「パロ」とともに、イベントのPRを行なった。
プロジェクトの発起人、エンターテイメントボウルの小松要仁氏 |
アドバイザーとして参加する、テクノロード開発責任者である浅野克久氏 |
「ジャパンロボットフェスティバル2009 in TOYAMA」をアピールする、チューリップテレビの高木一英氏 |
編集注:高木氏の「高」は正しくはハシゴのタカ(旧字体)となります