よりリソースの限られた環境で活躍する「Ultra Light」
SQL Anywhereのパッケージでは、フルスペックのSQL Anywhereエンジンのほかに、組込み機器向けの小型エンジンであるUltra Lightを選択することができる。Ultra LightはSQL Anywhereとは別のコードベースで開発されたエンジンであり、きわめて限られたリソースで動作することが特徴だ。そのサイズはライブラリも含めて1Mバイト程度であり、アプリケーションへのバンドルや小型デバイスへに組込んで利用することを想定して開発されているという。
一方で、外部向けのインタフェースや管理ツールなどはSQL Anywhereと同じものになっており、ユーザ視点では機能的な部分を除いてほとんど区別なく使うことができるとのこと。
「組込み機器でデータベースを使ったアプリケーションを開発する場合、通常はデスクトップやサーバ向けのアプリケーション開発とは異なる知識が必要になったりします。それに対してUltra Lightの場合はSQL Anywhereと同様に開発することができるので、デスクトップ向けのデータベースアプリケーションの開発者が、組込み向けのアプリケーションも開発できるというのが大きなメリットです」(森脇氏)
モバイルを意識したデータ統合・連携ソリューション「Mobile Link」
SQL Anywhereではもうひとつ注目すべきソリューションが提供される。それがデータ統合・連携ソリューション「Mobile Link」だ。これは複数のクライアントマシンに分散されたデータをMobile Link同期サーバと統合データベースサーバによって同期するというもの。各クライアント上ではSQL AnywhereやUltra Lightによってデータを管理し、全体のデータ管理は統合データベースサーバによって行う。クライアントと統合サーバのデータ同期は、Mobile Link同期サーバによるセッションベース同期でリアルタイムに行われる。
通常のクライアント/サーバ型ソリューションとの大きな違いは、クライアント側が独立したデータベースを持つため、オフライン状態でも適切なデータ管理が行えるという点だ。業務用端末などはネットワークに接続されていない状態で利用されることが多いが、Mobile Linkならばシームレスなデータ統合が行えるとのことだ。
統合データベースサーバにはSQL Anywhere以外にもSybase ASEやMycrosoft SQL Server、Oracle、IBM DB2などを利用することが可能となっている。そのため既に他社のデータベース製品を利用している場合でも、Mobile Linkを利用することで容易にSQL Anyhereとデータ連携させることができるとのこと。